エアコンのガス漏れ原因と対策、ガス補充の工事内容と料金を職人が直接解説

どうもこんにちは。
エアコン職人さかなです。

今日はエアコンの『ガス補充』について、料金とその内容を解説していきますが、まず最初に注意点としてお伝えしておきたいのが、これからお伝えすることは、あくまで一般的な業界標準の話であり、その基準として、大手家電量販店の金額を参考にしているという点です。

なので、当然、依頼する工事屋さんによって、多少、内容や金額が変わることがあると思います。

こちらの記事でお伝えしていることが、実際には「必ずしもそうとは限らない」ということをご了承くださいませ。

よろしくお願いします。

エアコンのガス補充とは?

エアコンは室内機と室外機のセットになっていて、新品購入時には室外機にガスが封入されています。

僕みたいな職人が現場で室内機と室外機を接続し、接続が完了したらそこで室外機に封入されているガスを開放します。

そして、エアコンのガス(冷媒)というのは半永久的に使えるものですから、使っている内にどんどん減っていくものではないと理解しておいてください。

よくお客さんに聞かれるのですが、エアコンのガスは基本的に補充する必要がなく、間違っても何年かに一度補充しなければならないということはありません。

しかし、例えば、工事の不備でガスが漏れてしまっている、経年劣化により、ガスの配管に小さな穴が開いてそこからガスが漏れてしまう。

このようなことは実際に起こり得ますので、そのような場合には、ガス補充という作業が必要になります。

では、次章ではガスがもれる原因について詳しく解説していきます。

ガスが漏れる原因は3つ

もし、漏れることがなければ、半永久的に使用できるエアコンのガスですが、エアコンを半永久的に使うというのは現実的には不可能です。

なぜなら、エアコンには寿命があり、コンプレッサーも各種モーターもいずれは壊れる時がきます。

ガスだけが半永久的に使えてもダメで、やはり、エアコンはエアコンとしての機能を保つために、様々な部品が正常に動かなければその役割を果たすことはできません。

しかし、ガスが漏れるというのは、それらの部品が壊れる前に半永久的に使えるものがなくなってしまうということなので、これはあってはならない問題です。

エアコンというのはコンプレッサーやモーターが壊れて寿命と言えますので、ガス漏れでエアコンとしての機能を失うということは本来あってはならないことです。

なぜあってはならないことなのか?それを今から解説していきます。

ガス漏れの原因第一位『施工不良』

ガス漏れで一番多い原因が、『施工不良』です。つまり、工事をした工事屋さんが悪いということです。

先ほどもお伝えしましたが、僕らみたいな職人がお客さんの家にエアコンを設置します。

室内機と室外機を配管と呼ばれる材料で接続するのですが、そのときに、「フレア加工」と言われる銅管の加工を行います。しかし、これが結構難しくて、素人とか下手くそな人がやるとガスが漏れてしまうのです。

『フレア加工』

詳しい解説は省略しますが、銅管を加工してラッパ型を作り、金属同士を密着させてシールする方法になります。

水道みたいにパッキンとかはなく、金属同士の密着が最大のポイントですから、例えば、フレア面に傷があったり、ネジの締付けすぎなど、様々な原因でガスが漏れてしまう非常にデリケートな接続方法になります。

しかし、いくら難しい作業といえども、こちらはお金をいただいて仕事をしているプロですから、「お漏らし」ということは通常、あってはならないのです。

僕は個人的に、「お漏らしは職人の恥」と思っているくらいで、職人失格とまではいかないまでも、プロとして、やってはいけない部類の失敗かと思います。でも、ガス漏れの原因としては間違いなく一番多いです。

僕もこれまでにおそらく1万台弱のエアコンを設置してきていますが、10回くらいガス漏れを起こしたことがあります。もう最近では全くガス漏れはなくなりましたが、不慣れな頃はよくお漏らししていました・・・

で、ここからが注意点なのですが、基本的に施工不良によるガス漏れというのは、工事保証の対象になりますので、ちゃんとお客さん側で申請をしてください。

一言にガス漏れと言っても、数日で漏れる「ダダ漏れパターン」と、何年かかけてゆっくり漏れる「スローリーク」と様々です。

お客さんとしては、数日で漏れたら使っていればすぐわかると思うんですよね。

例えば、夏にエアコンを設置して、最初の2〜3日は問題なく冷えていたけど、数日経ったら全然冷えなくなった。これは使っていてすぐに気がつくと思うので、気がついた時点で販売店なり工事店なりに連絡すると思うんです。

しかし、数年かけて漏れるスローリークですと、下手したら5年後にようやく全部漏れるということもあり得るわけです。

そうすると、お客さんからしてみれば、結構判断がつきにくいというか、何年か問題なく使用できていた実績があるので、まさか施工不良だとは思わないはずですし、「だんだんガスがなくなっていくものなのかな」と勘違いしてしまう人がいてもおかしくありません。

ですが、このような場合でも、まずは販売店、もしくは工事店に連絡をして欲しいんです。

施工不良であれば、工事保証を10年とか付けている良心的な販売店であれば、すぐに原因を調べにきてくれて、それがガス漏れだと判明すれば、ガス漏れ箇所の特定、修理、ガス補充まで0円でやってくれます。

もし、工事保証が1年だけとかだと、残念ながら「保証期間対象外」ということで有料修理になります。施工不良のくせに有料修理でお金とるところがたくさんありますので、工事は工事保証を10年付けているところにお願いするのが安心ですね。

で、ガス補充の料金ですが、大手家電量販店では2万円〜3万円が相場です。

金額に開きがあるのはガスの補充量によって金額が変わるのと、ガス漏れ箇所の特定と修理の難易度も変わるからです。

エアコンの設置方法が簡単に修理できる設置方法であれば安いですし、屋根置きとか2階おろしとか、そういう特殊な設置方法ですと、一度取外してからの修理となる場合もありますので、状況次第で結構金額は変わってきてしまいます。

基本的には2〜3万円だと思っていただいて大丈夫だと思います。

では次にガス漏れの原因第2位の発表です。

ガス漏れの原因第2位、『熱交換器からのガス漏れ』

「熱交換器」と言っても伝わらないでしょうから、簡単にいえばエアコンの「機械の中でガス漏れしている」と言い換えましょうか。

つまり、今度は工事屋さんではなく、製品の問題ということで、誰に責任があるのかといえば、「製造メーカー」に責任があります。

これも実は判断が難しいのですが、例えば、夏にエアコンを設置します。

2〜3日は冷えていたが、4〜5日目に冷えなくなった。

販売店に連絡をして見にきてもらったら、室内機の熱交換器からガス漏れしていた。このようなパターンがちょこちょこあります。

確率的には2000台に一台くらいでしょうか?でも、これはまだわかりやすい方だと思います。

メーカーのサービスマンがやってきて、ちょっと調べたらすぐにわかりますから、「メーカーの方で交換手配をさせていただきます」とか、そのような対応になるかと思います。

熱交換器からのガス漏れは、フレア部分からのガス漏れとは違い、なかなか現場ですぐに修理というわけにはいかないんです。

具体的には熱交換器の交換ということになるのですが、熱交換器といえばエアコンの機械の中でも大部分を占める部品で、溶接の火も使いますし、その部品も発注から納品まで少し時間がかかりますので、まずその場では修理不可能な部品になります。

なので、メーカーとしては、いっそのことガス漏れしたエアコンを取外し、新しいエアコンを持ってきて取り替えた方が早い。という判断になることが多いんですね。

なので、熱交換器からのガス漏れは基本的にエアコンを新品に交換します。

これが設置後4〜5日とかで冷えなくなって、原因がわかりやすいパターンになります。

わかりにくいのは、先ほどのスローリークというやつで、熱交換器から少しずつ漏れていて、5年後に本格的に冷えなくなるパターンです。

これは「5年」という期間が非常に重要なポイントになりまして、施工不良ではないので、工事保証は使えませんし、もちろん、工事屋さんが保証してくれるはずもないので、基本的には責任者である製造メーカーが修理なり交換なりして、エアコンとして正常に機能するようにする義務があります。

しかし、エアコンの製造メーカーは揃いも揃って、「冷媒系統の故障保証期間は5年以内」と決めているんです。

いつから5年以内なのか?それは「お買い上げ日」から5年以内、かつ、製造から10年以内に限ります。

大手家電量販店の場合は、「設置工事日」から5年以内になります。

では、冷媒系統の保証期間5年をすぎて、メーカーの責任である熱交換器からガスが漏れた場合にはどうなるのか?これは、残念ながらお客さん負担での修理になります。

金額は先ほどと同じで、何事もなければ2万円前後、ちょっと特殊な取付方法とか、機種によって充填冷媒量が多ければ3万円とかもあり得ます。

これは残念ですが、メーカーがそういう決まりでやっていますので、お客さんがどれだけ騒いでも覆ることはありません。

対応にムカついたら、次回は別のメーカーを買いましょう。

そしてもう一つ、スローリークで注意するべき点がありまして、元々、製品の製造過程で、溶接部分がすごく薄くなっているパターンです。

例えばお買い上げから4年後に熱交換器からガス漏れしました。通常であれば、冷媒系統は5年保証なので、保証期間内ということで無償修理になるはずです。

しかし、やってくるサービスマンによっては、「お客様の使用方法が適切でないためガス漏れした」と主張するサービスマンもいます。

エアコンの熱交換器はメーカーの工場で作られますが、今は大抵が機械溶接で、溶接箇所のガス漏れがあるかどうかは、簡単な窒素耐圧テストで行っています。

稀に発生する事案として、機械溶接の部分で本当は1mmの肉厚を確保するところが、実際は0.2mmの肉厚しかないとか、そういうことが起こります。(数字はテキトーです)

機械溶接で部分的にすごく薄い部分ができてしまうわけですね。そして、エアコンを何年か使用していますと、例えば冷房運転時などでは熱交換器に結露水がつき、場合によっては部品が錆びたりすることもあります。

仮に、熱交換器の一部分の肉厚がすごく薄くなっているとしましょう。

そういういわゆる「急所」が錆びたりすると、もうそこですぐにガス漏れが発生します。

でも、最初の何年かは大丈夫だったりするんですよ。だって、金属サビもそんなにすぐには発生しないし、錆が発生しても、金属の腐食には時間がかかるからです。

なので、ちょうどいいタイミングの4年後とかにガス漏れが起こるのですが、いいサービスマンだと、これはウチのメーカーの責任なんで無償修理しますね。という結論になったりします。

しかし、実際問題として、4年後に製造過程で肉厚が薄い急所があったかどうかなんてわからないんですよね。だってもう錆びちゃってるし、何年か使っちゃってるし、そこの判別はハッキリ言って不可能です。

そうかもしれないしそうじゃないかもしれない。

なので、サービスマンの視点からすれば、「錆が原因で熱交換器からガス漏れをした」という結果しか目に映らないということです。

では、論点はどこになるのかといえば、何が原因で熱交換器が錆びたのか?という点で、当然、お客さんの使用環境を疑います。

リビングで料理の油を吸っていないかどうかとか、塩素系の洗剤を使用した経歴があるかどうかとか、24時間付けっぱなしにしていないかとか、ペットの毛が付着していないかどうかとか、そういうところをそういう視点で見ますので、じゃあ、「お客様の使用環境が悪いですね」という結論になれば、その時は5年の保証期間内でも保証が効かない場合があります。

これは、メーカーのサービスマンがそう言えば、もうそうなってしまいますので、諦めてください。

事前に製品の不備を証拠として残していれば別ですが、素人であるはずのお客さんがそんなことできませんから、やはり運が悪いと思って従うしかないのです。

その時の対応が悪いと感じたら次は別のメーカーを買いましょう。笑

ガス漏れの原因第3位『外部的動力』

「外部的動力」と中国語みたいな表現になってしまいましたが、要は「誰かが室外機を動かして漏れる」こともあるってことです。

お客さん自身で室外機の裏を掃除するときに動かしたとか、外構屋さんが室外機を動かしたとか、庭師さんが動かしたとか、子供が上に乗ったとか、車で室外機にぶつかったとか、地面置きされている室外機には、10年の間に何かしらの外からの衝撃を受けます。

そのときに、あまり無理に室外機を動かすと、室内機と繋がっている配管が折れたり曲がったり、最悪はフレア部分からのガス漏れということもあります。

実際、僕もこれまでに何度もそういう場面に遭遇してきました。

台風で室外機が動いてガス漏れしたケースもありますし、犬が毎日室外機におしっこをしてガス漏れしたりもありました。

このような場合には、故意だろうと故意でなくとも、とにかくガス漏れ保証は効きません。全て有料修理になりますのでご注意ください。

ガス漏れ修理の手順と内容

ガス漏れ修理の流れは、

  1. ガス漏れ箇所の特定
  2. ガス漏れ箇所の修理、
  3. 気密試験
  4. 真空引き
  5. ガス補充
  6. 試運転

という流れになります。

一番時間がかかるのが、ガス漏れ箇所の特定と修理で、もしガス漏れ箇所がフレア接続部分であれば、その日のうちに修理可能です。

しかし、ガス漏れ箇所がフレア部分以外の漏れであれば、その日のうちの修理は難しくなります。なぜなら、部品の取り寄せの必要性が出てくるからです。

フレア部分からの漏れであった場合、ガス漏れ箇所とその修理で30分くらい、万が一、もう一度漏れてしまうと大変なので、念のため気密試験をして、もう2度と漏れないことを確認して真空引き、ここまでで合計作業時間が1時間、

そして、ガス補充の試運転、これも30分くらいで、特に問題なければ大体2時間程度でガス補充は完了します。

まぁ、事情説明とかの時間も考えて、半日かからないくらいと思っていればいいと思います。

以上、エアコンのガス補充の解説でした。
ありがとうございました。

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