エアコンの配管洗浄工事の内容と料金について職人が直接解説

どうもこんにちは。
エアコン職人さかなです。

今日はエアコンの『配管洗浄工事』について、料金とその内容を解説していきますが、まず最初に注意点としてお伝えしておきたいのが、これからお伝えすることは、あくまで一般的な業界標準の話であり、その基準として、大手家電量販店の金額を参考にしているという点です。

なので、当然、依頼する工事屋さんによって、多少、内容や金額が変わることがあると思います。

こちらの記事でお伝えしていることが、実際には「必ずしもそうとは限らない」ということをご了承くださいませ。

よろしくお願いします。

エアコンの配管洗浄とは?

隠蔽配管で次回も同じ配管を使ってエアコンを取り付ける場合に、配管洗浄という作業が必要になる場合があります。

同じ冷媒ガスである場合には配管洗浄は必要ないのですが、冷媒ガスの種類が変わるときには配管洗浄をする必要があります。(冷媒ガスという表現は本来間違ってますが、わかりやすく冷媒ガスという表現を使ってます)

何を言っているのかわからない方のために、詳しく解説をしていきます。

まず、隠蔽配管というエアコンの施工方法があります。

建物の建築時に、まだ内装の壁が貼られる前にエアコンの配管を壁の中に仕込んでおき、屋内の室内機と屋外の室外機を接続できるようにしておきます。その作業のことを『先行配管』と言います。

そして、その先行配管が終わると後から壁が貼られ、配管はエアコンを取り付ける場所以外は完全に壁の中に隠れて見えなくなります。

最後に、壁から出ている配管にエアコン本体を接続して完成するのですが、このように、隠蔽配管で施工すると、配管が表に一切露出しないので見た目が綺麗な施工ができます。

しかし、この隠蔽配管には欠点がありまして、この先もずっと同じ配管を使用し続けなければならないという問題があります。

エアコンの寿命は大体10年くらいで、隠蔽配管の寿命は大体30年くらいなので、1代目、2代目、3代目が寿命を迎えると、4代目の使用には配管の耐久性が持たない可能性があります。

なので、その家に30年以上住むつもりがあるのであれば、31年目以降は隠蔽配管をもう利用することは難しく、結局露出配管という方法で施工するしかありません。

なので、隠蔽配管とは長期的に見れば30年以上使用することができない、欠陥を抱えている施工方法と言えます。

とりあえず、今回の話とは直接関係がないので、隠蔽配管の是非に関してはこれくらいにしておきますが、とにかく、その機械の更新時に配管洗浄の必要性が出てくるというお話です。

配管洗浄が必要な場合とそうでない場合

配管洗浄が必要になる場合というのは、既設のエアコンの冷媒ガスと、新しく取り付けようと思っているエアコンの冷媒ガスの種類が変わる場合です。

エアコンの冷媒ガスにもそれなりに進化があり、映像メディアでいうところの、『VHS→DVD→Blu-ray』という進化のように、『R22→R410A→R32』というように冷媒ガスも進化してきました。

このとき、R22冷媒にはR22専用の冷凍機油があり、R410冷媒にはR410冷媒専用の冷凍機油があり、仮に、R410の機械にR22用の冷凍機油が混じってしまうと、オイル性質の違いから機械を故障させてしまう恐れがあります。

冷凍機油とはコンプレッサーオイルのことで、このオイルの種類が変わることが問題で、基本的にはR22、R410、R32それぞれのオイルは、それぞれ専用の機械に使用しなければなりません。

隠蔽配管ですと、エアコンの更新時にも配管は前回と同じものを使用しますから、万が一、その配管の内側に前の古い機械のオイルが付着していると、新しいエアコンを稼働させたときに、古いオイルが新しい機械の中に入って悪さをすることがあるんですね。

なので、新しいエアコンの機械が故障しないように、隠蔽配管でR22の機械からR410の機械に更新するときは、配管洗浄という作業を行い、配管の内側についている古いオイルを洗浄して、配管を綺麗な状態にしてから新しいエアコンを取り付ける必要があります。

これが配管洗浄作業です。

しかし、R22からR410もしくはR32に更新時には配管洗浄が必要ですが、R410からR32への更新時には配管洗浄の必要はありません。

なぜなら、R410とR32の冷媒成分は非常によく似ており、冷凍機油にもそれほど大きな性質の違いがないからです。

なので、配管洗浄が必要な場合というのは主に、『R22の機械からそれ以外の冷媒に変わるときに必要になる』と覚えておいてください。

配管洗浄料金

大手家電量販店では、配管洗浄の料金がしっかりと決まっているわけではありません。

なぜなら、大手家電量販店ではエアコンの性能を担保できないという理由から、配管洗浄を推奨していないからです。

なので、量販店側の考え方としては、配管洗浄をするくらいなら、新しく外壁に穴を開けて、新しい配管を使って、露出配管で施工してくださいという考えです。

家電量販店では配管洗浄を依頼しても断られる場合が多く、そもそも配管洗浄をやってくれる工事屋さんも少ないので、もしかしたら工事屋さん探しに苦労するかもしれません。

しかし、僕は家電量販店でも仕事をしていますが、僕は量販店でも依頼があれば配管洗浄を行っています。

料金は設定されていませんが、僕の場合ですと配管1系統あたり3万円で配管洗浄を請けています。業界の標準値的には2〜3万円が妥当なラインだと思います。

配管洗浄の手順

配管洗浄には特別な道具が必要になります。

まず、配管の洗浄液、こちらは洗浄液と言ってますが、その中身はフロンガスですので、大気汚染の可能性があります。

配管洗浄する場合にはお客さんの責任でやらせていただきます。

次に、窒素ガスです。窒素ガスはバルブを開くと勢いよく窒素が吹き出す仕組みになっていて、この勢いよく吹き出す仕組みを利用して、窒素の勢いで配管の中のゴミとかオイルを吹き飛ばします。

エアコンの配管というのは2本で1セットになっていますので、屋外にも室内にも2本の配管が1セットになって飛び出しているわけです。

この2本1セットということを利用して、室内側で2本の配管の両端をジョイントすれば屋外から屋内にかけて長い一本の配管になります。

そうすると、屋外から一本の配管に洗浄液と、窒素ガスを注入してやれば、その洗浄液と窒素ガスは一旦屋内を通り、室内機のところでUターンして屋外のもう一本の配管から勢いよく飛び出してきます。

この飛び出してくるところにバケツなどを用意しておき、配管内のゴミとかオイルを受け止めます。この作業を何度か繰り返すと、やがて配管の中からは何も出てこなくなるので、そこで配管洗浄は完了です。

窒素も洗浄液も消耗品ですし、なかなか時間もかかるしそもそもできる人があまりいないので、1系統3万円というのは決して高くないのではないかと思います。

配管洗浄を必要としない機械もあります

実は配管洗浄の必要のない機械があります。

詳しくは各メーカーのカタログを見ていただければと思いますが、三菱電機の機種であれば全機種リプレース仕様という仕様になっており、室外機の中にフィルターの役割を果たす部品が装着されていて、冷凍機油の種類が違っていたり、多少、配管内が汚れていても配管洗浄することなく取付が可能です。

なので、もし、こだわりがないのであれば、このリプレース仕様の機種を選んでもらえると、配管洗浄の必要がなく、その料金の3万円も浮かすことができます。

ということで、このリプレース仕様の機械が登場したことで、僕ももう配管洗浄を何年もやっていません。笑

消えゆく技術という感じですね。詳しくは工事を依頼する工事屋さんに聞いてみてください。

では以上です。
どうもありがとうございました。

Aircon Mediaでは「Air-concierge」(エアコンシェルジュ)をコンセプトに、『10年間の快適な空間』をお約束しています。高品質な工事はもちろん、10年間の製品保証ときめ細やかなアフターサービスを心がけてますので、エアコン工事で失敗したくない方はぜひ、Aircon Mediaにお任せください。

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