エアコンのエアカットバルブ取付料金と工事内容について職人が解説

どうもこんにちは。
エアコン職人さかなです。

今日はエアコンの『エアカットバルブ取付』について、料金とその内容を解説していきますが、まず最初に注意点としてお伝えしておきたいのが、これからお伝えすることは、あくまで一般的な業界標準の話であり、その基準として、大手家電量販店の金額を参考にしているという点です。

なので、当然、依頼する工事屋さんによって、多少、内容や金額が変わることがあると思います。

こちらの記事でお伝えしていることが、実際には「必ずしもそうとは限らない」ということをご了承くださいませ。

よろしくお願いします。

エアカットバルブとは?

高気密住宅では、室内と室外の気圧差ができます。

その気圧差を埋めるために、外から室内に向かって空気が入ってこようとするのですが、この時に、高気密住宅では空気の入り込む場所がほとんどないので、「唯一の空気の通り道」と言ってもいいのですが、エアコンのドレンホースを通って空気が室内に入ってきます。

この時に、エアコンで冷房運転をしていると、エアコン室内機から「ポコッポコッ!」という音がします。

まるでお鍋のお湯が沸騰したような、コポコポというか、なんというか、とにかく独特のポコポコ音がします。

これは音がするというだけで、特に問題はないのですが、ごくまれに室内機の中で水が跳ねて水漏れになる場合もあります。

ですので、こういう場合にエアカットバルブという部品を使い、ポコポコ音を解消し、水跳ねを解消します。

仕組み的には簡単な仕組みになっていて、エアカットバルブを屋外のドレンホースの先端に設置するだけです。

そうすると、屋外から屋内に向けて空気が入ってこようとすると、「ピタッ!」と蓋が閉まって、空気が遮断されるような仕組みになっています。

室内機から出てくるドレン水はそのまま外に排出し、外から入ってこようとする空気だけを遮断する優れものです。

エアカットバルブをつける必要がある環境

このエアカットバルブは、多くは高層マンションや新築の高気密高断熱マンション、新築戸建ての高気密住宅などで使用します。

ちょっと専門的な話になってしまいますが、住宅には建築基準法で換気が義務付けられており、これまでの一般的な換気方法というのは第3種換気と言って、よく壁なんかに換気口がついているのを見たことがあると思うんですけど、単純に壁にポッカリ穴が開いているだけのものが主流でした。

その換気システムのことを「24時間換気」とか、「自然換気」と言ったりしますが、そのような24時間換気が設置されている第3種換気ではエアカットバルブの必要はありません。

なぜなら、外からの空気は換気口を通って室内に入ってくるので、わざわざ狭くて通りにくいエアコンのドレンホースからは入ってこないんです。

しかし、第3種換気と違い、第1種換気というものがあり、これは自然換気ではなく、全部モーターなどを使った、機械仕掛けの換気システムになります。

なので、換気量を機械制御で管理しているため、屋内と屋外で気圧差が生じると、機械の吸い込みでは吸い込み量が足りなくなって、中に入ってこようとする空気は行き場を探して結果的にエアコンのドレンホースから侵入しようとします。

なので、高気密住宅ではエアカットバルブが必要になる場合があります。

必要になる場合がある・・・と、曖昧な言い方をしたのには理由があって、これも絶対に必要だというわけではなく、高気密住宅でもポコポコ音が鳴らない場合もあります。

それはつまり、「機密性の欠如」ということなんですけど、工務店は「高気密住宅ですよ〜」と言っているのですが、エアコンのドレンホース以外の場所から空気が侵入している場合は、ポコポコ音はしません。残念ながら。

なので、機密性の数値にもよりますが、高気密住宅と謳っておきながら、実際にエアコンをつけたらポコポコ鳴らない住宅はたくさんあります。

もちろん、特定の気圧差が発生している場合など、限定的な条件でポコポコ音はなりますので一概には言えないのですが、とにかく僕はポコポコ音が鳴らなくても黙ってます。

工務店さんを敵に回したくないし、お客さんも知らないでいいことは知らないままでいいと思うからです。

でも、ポコポコ鳴らないってことは機密性が失われている証拠なんです。

その他、エアカットバルブのメリット

エアカットバルブのもう一つのメリットは、「虫の侵入がない」ということです。

よくドレンホースの先端に、100円均一で買ってきた防虫キャップをつけている方がいます。

実は、あれはホコリが溜まって、最終的に室内機から水漏れしますので個人的には推奨しておりません。

定期的にキャップ内部を掃除してもらって、水がたまらないようにしてもらったらいいと思うんですけど、ほとんどの人がそんなことやらないので、僕も何度もそれで呼び出しを食らってます。

室内機から水漏れが起こると、まず室内機の下にあるものが濡れます。テレビなんかがあれば壊れますし、ソファなどあれば水が染み込んで中の木が腐ります。

当然、フローリングが濡れれば、そこから木が反ってめくれてくることもあります。虫の侵入を防ぎたいのであれば、エアカットバルブが一番です。

ホコリも溜まらないし、水もたまらないし、虫が入ってこれない構造になっているし、一番安全で安心です。

100円均一で買ってきた防虫キャップをつけるくらいなら、僕はエアカットバルブを付けた方が良いと思いますね。

エアカットバルブの料金

大手量販店では、エアコンとの同時工事では1650円、単独訪問では3850円程度です。

モノ自体はホームセンターでも販売してますし、取付もちょっと注意点がありますが、割と簡単に取り付けることができますので、素人の方でもやろうと思えばできると思います。

そんなに高いモノでもないと思いますので、高気密住宅でエアコンをつける場合や、一戸建てでも虫の侵入が気になる方はぜひ取り付けてみてください。

では以上です。
どうもありがとうございました。

Aircon Mediaでは「Air-concierge」(エアコンシェルジュ)をコンセプトに、『10年間の快適な空間』をお約束しています。高品質な工事はもちろん、10年間の製品保証ときめ細やかなアフターサービスを心がけてますので、エアコン工事で失敗したくない方はぜひ、Aircon Mediaにお任せください。

工事内容の解説カテゴリ一覧へ

 


Aircon Mediaではエアコン工事、ご相談承ります。
愛知・東京・千葉・埼玉・神奈川・静岡・岐阜・大阪・奈良・京都・兵庫・広島・山口エリア対応中

現在対応エリアの拡大を進めています。 最新情報はお知らせをご覧下さい。