エアコン室外機を水平移動する時の注意点と工事料金を職人が解説

どうもこんにちは。
エアコン職人さかなです。

今日はエアコンの『室外機水平移動工事』について、料金とその内容を解説していきますが、まず最初に注意点としてお伝えしておきたいのが、これからお伝えすることは、あくまで一般的な業界標準の話であり、その基準として、大手家電量販店の金額を参考にしているという点です。

なので、当然、依頼する工事屋さんによって、多少、内容や金額が変わることがあると思います。

こちらの記事でお伝えしていることが、実際には「必ずしもそうとは限らない」ということをご了承くださいませ。

よろしくお願いします

室外機水平移動工事とは?

基本的には、エアコンというのは設置するときにしっかりと場所を決め、一度設置したらもうほとんど動かさないことが基本です。

しかし、最初に設置した場所で何らかの不都合が発生した場合などでは、室外機の場所を移動せざるをえないことがあります。

僕の経験で言うと、例えば、室外機の風が隣家の車に当たるということで、隣の人がクレームを入れてきた場合、新築物件でエアコンを設置したが、親が風水的にその場所はダメだから移動しろと言ってきた場合、庭にウッドデッキを作るので室外機が邪魔になるという場合、

などなど、なんらかの理由で室外機を移動したいという場合に、室外機水平移動工事という工事が発生します。

室外機水平移動の注意点

そのときに、一点だけ注意点があります。

それは、『内外連絡線の接続はできない』ということです。内外連絡線とは、室内機と室外機をつないでいる電線のことです。

この内外連絡線の電気接続は、製造メーカーから厳しく禁止されており、ルームエアコン業界では「絶対にやってはいけない工事」となっています。

内外連絡線を接続する必要がある場合というのは、室外機移動前より、室外機移動後の方が室内機との距離が長くなる場合です。

室外機が室内機側に近づく場合は問題ないんです。配管も連絡線も長ければカットするだけなので。

しかし、室外機が室内機から遠ざかる場合では、既設の配管も内外連絡線も届かなくなりますから、普通は「延長」ということを考えます。

でも、配管は延長できても、内外連絡線の延長は禁止されていますから、最低でも連絡線だけは室内機から移動した室外機まで、届く長さで新たに用意する必要があります。

ということは、室外機が室内機に近づくパターンと、遠ざかるパターンでは時間も手間も金額も違いが出てくるということです。

室外機水平移動の料金

一般に、大手家電量販店の室外機移設料金は7700円です。

これは室外機が室内機に近づくパターンの料金で、一度室外機をポンプダウンして取外し、室外機を移動して、そのまま接続する工事です。

しかし、僕の経験上、室外機が室内機から遠ざかるパターンの方が圧倒的に多いので、そうすると、単純に外して移動して接続して・・・ということはできません。

なので、室外機を一度取外し、それから室内機の内外連絡線を取外し、新しい連絡線を持ってきて室内機に接続し、配管を延長し、それから室外機に接続します。

この時の料金は、まず、内外連絡線料金が1mごとに1430円、ユニオンと呼ばれる配管の接続継手が2200円、配管延長が1mごとに3300円、

つまり、既設内外の距離が4mだった場合、3mの水平移動をしたとなると、

  • 電線が1430円×7m=10010円
  • ユニオン2200円
  • 配管延長3m×3300円=9900円

合計で22110円になります。

たかが室外機と思われるかもしれませんが、やはり一度設置したものをまた移動するというのは大変ですし、それだけ料金もかかってしまいます。

だからこそ、室外機の位置決めは大事ですし、こちらも慎重に案内するようにしています。

例えば、隣の駐車場に向かって室外機の風が送られる場合には、隣の車に風が当たりますがよろしいですか?と聞きます。

実際は室外機の風が車に当たったところで、何か問題があるわけではないので、気持ちだけの問題なのですが、嫌がる人は嫌がるので注意が必要です。

ウッドデッキを設置する予定があるのであれば、やはり、その将来のことも考えて邪魔にならない場所に設置するべきですし、いろんな角度から不具合の可能性を考えて最初の設置をしなければなりません。

工事する人間も、お客さんの希望を聞き入れつつも、それだとこういう可能性がありますが大丈夫でしょうか?とアドバイスができるようになっていなければなりません。

お客さんはプロではありませんから、見た目だけの問題で設置場所を決めたり、なんとなく、こっちの方が良さそうだからという、あまり根拠のない理由で設置場所を決めたりします。

僕ら工事の人間は、第一にお客さんの希望を聞き、その時点で問題がありそうであれば、第二の提案をしなければなりません。

実際、お客さんにここに設置して欲しいと言われても、プロパンガスボンベとの離隔距離が法令違反になっていたり、消防法の基準を満たしていない場合など、こちらで判断してお断りすることもよくあります。

そうしないと、結局、あとで無駄なお金を支払うことになるのはお客さん自身ですから、お客さんとしては、そういったことをキチンとアドバイスできる工事屋さんを選ぶということも大事です。

お客さんは簡単に移動できると思われていますが、平気で2万円とかの工事費がかかりますから、設置場所にはご注意ください。

では以上です。
どうもありがとうございました。

Aircon Mediaでは「Air-concierge」(エアコンシェルジュ)をコンセプトに、『10年間の快適な空間』をお約束しています。高品質な工事はもちろん、10年間の製品保証ときめ細やかなアフターサービスを心がけてますので、エアコン工事で失敗したくない方はぜひ、Aircon Mediaにお任せください。

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