どうもこんにちは。
エアコン職人さかなです。
日本の住宅事情の関係で、エアコンがないがしろにされている現状があると思います。
そう!スペースが狭くてエアコンが取付けられない!
僕はエアコン工事の仕事をしていて、そういう〝現場〟に何度も立ち会っています。
お客さんは家電量販店でエアコンを購入して、工事の日程を打ち合わせして、「さぁ、今日から新しいエアコンが使えるぞ!」と気分も高まってきた頃に、『ピンポーン・・』とチャイムが鳴り、『エアコン工事で〜す!よろしくお願いしま〜す!』と業者の人がやってきて、お部屋のエアコンスペースを見てすかさず一言、
『あの・・・お客様すいません、このエアコンは取り付けできませんね^_^; 』
お客さんはそこでようやく、普通のエアコンが取り付けられるスペースがないことに気がつきます。
これはかなり悲しいことです。笑
散々、アレでもないコレでもないとエアコンの機種を選び、クレジットカードポイントとか長期保証とかいろんな打ち合わせを繰り返し、ようやく最後の締めくくりっていう時に、「これ、取り付けられませんね・・・」っていうのでは、あまりにも悲しいと思います。
ですので、今日は、薄型エアコンのご紹介です。
薄型と言っても、今のエアコンの横幅はほとんど変わらないので、今日は『高さが低いエアコン』に限定してのご紹介です。
ぜひ、悲しいことにならないためにも、参考になさってくださいね!
それでは早速行ってみましょう、プロがおすすめる『薄型エアコン徹底比較』です!どうぞ!
各メーカーの薄型エアコンを徹底比較!
ではまず、各メーカーのラインナップを見ていきましょう。
現在、日本の大手エアコンメーカーは9社ほどありますが、その中でも、薄型エアコン(高さが250mm以下)を生産しているのは、6社ほどになりますので、今回はこの6社に絞ってのご紹介です。
まず、トップバッターは『三菱電機』
三菱電機『Rシリーズ』
(引用:https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/kirigamine/product/r/index.html)
- 室内ユニット(高さ255×幅799×奥行343mm)
- 容量:6畳〜23畳まで。
- 特徴:ムーブアイ、お掃除機能、スマホ遠隔操作
こちらの三菱電機の『Rシリーズ』ですが、三菱電機が〝売り〟にしている「ムーブアイ」が搭載されていますね。
「お掃除機能」が付いていたり、「スマホ遠隔機能」(別売り品)が付いていたり、比較的多機能なエアコンだと思います。
個人的には、高さの狭い場所につけるエアコンには、「お掃除機能」は必要ないかと思います。
〝え?それって逆なんじゃないの?〟って思われるかもしれませんが、お掃除機能というのはエアコンのフィルターを掃除してくれるだけであって、エアコン内部の汚れまでは綺麗にしてくれません。
ですので、エアコン内部の汚れは「壁掛け分解クリーニング」をするか、もしくは「完全分解クリーニング」をする必要があります。
「壁掛け分解クリーニング」というのは、エアコンを壁にかけたまま出来る限り本体を分解し、エアコンを壁にかけたまま洗ってしまうというクリーニング方法です。
「完全分解クリーニング」というのは、一度、エアコンを取外してしまって、全てのパーツをバラバラに完全分解し、全ての部品を一つ一つ洗っていくという方法です。
壁掛け方式よりも、完全分解方式の方が間違いなく綺麗になりますが、一度エアコンを脱着する分、お値段は倍くらいかかります。
話を戻して、汚れが一切気にならないというのであれば、エアコンクリーニングの必要はありませんが、それならお掃除機能もいらないはずですよね。笑
で、そういうエアコンクリーニングをするときに、エアコンの室内機があまりにも天井に近い場所にあると、室内機の分解ができなくなるのでそもそもエアコンクリーニングもできなくなってしまうんですね。
エアコンというのは寿命が10年くらいと言われていますから、10年も使っていれば、エアコン内部はどんどん汚れていきます。
で、送風の臭いも気になってくるだろうし、内部的にたくさんカビが繁殖するし、エアコンの風も弱くなるし、電気代も余分にかかるし、冷房効率も当然悪くなっていきます。
ですので、エアコンというのは使用頻度にもよりますが、よく使う場所のエアコンでは3年〜5年に一回はクリーニングした方がいいと思います。
しかし、狭い場所にお掃除機能付きのエアコンをつけてしまうと、それができなくなってしまう場合があるんですね。
なので、個人的には狭い場所にはお掃除機能付きのエアコンはつけるべきではないと思っています。
なんか、メーカーにケンカ売ってるみたいな感じになってしまいましたが、でも、本当に僕が狭い場所にエアコンをつけるとするならお掃除機能付きは選びません。
では、続いてのメーカーです。
日立『Wシリーズ』
(引用:https://kadenfan.hitachi.co.jp/ra/lineup/wseries_l/)
- 室内ユニット(高さ248×幅798×奥行340mm
- 容量:6畳〜14畳まで。
- 特徴:暮らしカメラ、お掃除機能、みはり運転
ほとんど、三菱電気の『Rシリーズ』と変わりませんが、こちらは18畳までのラインナップしかないというのと、本体が248mmで三菱よりも7mm小さくなっています。
続いて、次のメーカーです。
東芝『H-DTシリーズ』
(引用:https://www.toshiba-lifestyle.com/jp/air_conditioners/h-dt/)
- 室内ユニット(高さ250×幅798×奥行352mm)
- 容量:6畳〜20畳まで。
- 特徴:空気清浄、お掃除機能、楽ダストボックス
東芝『H-Rシリーズ』
(引用:https://www.toshiba-lifestyle.com/jp/air_conditioners/h-r/)
- 室内ユニット(高さ250×幅798×奥行352mm)
- 容量:6畳〜18畳まで。
- 特徴:空気清浄、お掃除機能、楽ダストボックス
東芝『H-Pシリーズ』
(引用:https://www.toshiba-lifestyle.com/jp/air_conditioners/h-p/)
- 室内ユニット(高さ250×幅795×奥行230mm)
- 容量:6畳〜14畳まで。
- 特徴:空気清浄
東芝『H-Mシリーズ』
(引用:https://www.toshiba-lifestyle.com/jp/air_conditioners/h-m/)
- 室内ユニット2.2kw~4.0kw(高さ250×幅798×奥行230mm)
- 室内ユニット5.6kw(高さ250×幅798×奥行352mm)
- 容量:6畳〜18畳まで。
- 特徴:特になし
まず東芝の特徴ですが、東芝は全メーカー中、最も250mm以下のエアコンのラインナップを揃えています。
だからどうしたって話ではありますが、エアコン業界では、薄いエアコンといえば「東芝」みたいな風潮があります。笑
しかし、東芝のエアコンにはこれ言って大した特徴がないんですよね。
唯一、他社と違う点では「楽ダストボックス」というシステムで、お掃除ロボが回収してきた埃を専用のノズルを掃除機にセットして楽に吸えますよ。という機能があります。
個人的には東芝は「壊れやすいメーカー」っていうイメージもあります。(あくまで個人の意見ですよ!)
狭い場所につけるエアコンなので、もし、故障した時には修理が必要なのですが、これもクリーニングの時と同じ現象が起こり、『一度、エアコンを外さないと修理できない』ということもあり得るかもしれません。
そうなってしまうと、エアコンの脱着代金が修理費にプラスされるのでさらに多くの出費が必要になります。
薄いエアコンをたくさん作っている東芝には申し訳ないですが、あまりおすすめできません。
富士通 『SVシリーズ』
(引用:https://www.fujitsu-general.com/jp/products/aircon/2021/lineup/nocria-sv/index.html)
- 室内ユニット(高さ250×幅698×奥行325mm)
- 容量:6畳〜18畳まで
- 特徴:お掃除機能、スマホ遠隔操作、幅も狭い
富士通『Dシリーズ』
(https://www.fujitsu-general.com/jp/products/aircon/2021/lineup/nocria-d/index.html)
- 室内ユニット(高さ250×幅777×奥行290mm)
- 容量:6畳〜18畳まで
- 特徴:熱交換器加熱除菌、お掃除機能、スマホ遠隔操作、幅も狭い
富士通『Cシリーズ』
(引用:https://www.fujitsu-general.com/jp/products/aircon/2021/lineup/nocria-c/index.html)
- 室内ユニット(高さ250×幅728×奥行290mm)
- 容量:6畳〜18畳まで
- 特徴:熱交換器加熱除菌、スマホ遠隔操作、幅も狭い
富士通も東芝と同じで大した特徴はないのですが、横幅も狭い機種があるっていうのが特徴です。
SVシリーズは高さが250mmで横幅も698mmなので、見た目にもかなりコンパクトです。
普通のエアコンの横幅は大体790mmくらいで、それよりも9cmほど短いので、例えば、エアコンの高さも横幅もどちらも普通のサイズでは収まらない。
という場合には、「もうこの機種を選ぶしかない!」というパターンがあります。
僕もエアコン工事をしていて、どうしてもエアコンが入るスペースがない場合は、富士通のSVシリーズやCシリーズをおすすめすることがあります。
おすすめっていうか、もうそれしか入らないから他に選択肢がないってだけなのですが、とにかく、どうしてもスペースに入らない最終手段として富士通があります。笑
続いて、パナソニックです。
パナソニック『GXシリーズ』
(引用:https://panasonic.jp/aircon/products/21gx.html)
- 室内ユニット(高さ250×幅728×奥行340mm)
- 容量:6畳〜20畳まで
- 特徴:お掃除機能、スマホ遠隔操作、ナノイー
パナソニックもこれまでに何種類か薄型モデルを発表してきていますが、現在は『GXシリーズ』のみのようです。
こちらの機種はお掃除機能が付いていますが、パナソニックお得意の排気機能は付いていないみたいなので、現在はダストボックス方式になっているようです。
うん、パナソニックもこれといって大した特徴はなさそうですね。笑
続いて、大本命、ダイキン !
ダイキン 『Cシリーズ』
(引用:https://www.daikinaircon.com/roomaircon/products/c_series/index.html)
- 室内ユニット(高さ250×幅798×奥行265mm)
- 容量:6畳〜12畳まで
- 特徴:お掃除機能、スマホ遠隔操作、最小据付寸法280mm、前方斜めカット形状
ハッキリ申し上げます。
6畳〜12畳までの容量なら、買うならこれです。
特徴1:お掃除機能がついていますが、ダイキンの設計は天井まで30mmほどスペースが開く設計になっており、30mmほどあれば、ダイキンなら壁掛けクリーニングもできますので、〝狭くてクリーニングができない〟という問題はクリアしています。
特徴2:スマホ遠隔機能は別売の部品を購入する必要がありますが、外出先からスマホでエアコンを遠隔操作出来るようになります。
特徴3:最小据付寸法が280mmということで、エアコンと天井との隙間の吸い込みスペースが30mmでもメーカーの施工要項を満たしつつ、さらに狭いスペースにも設置できるというのが大きな特徴です。
特徴4:特徴3と重なる部分ではありますが、なぜ、エアコンと天井との隙間が狭くても大丈夫なのか?それは「前方斜めカット形状」というエアコン形に秘密があります。
エアコンというのはお部屋の空気を上から吸って下から吐き出すのですが、この時にエアコン上部が吸い込み口になっていて天井との隙間が狭すぎると吸い込みが悪くなり、しっかりとお部屋の空気を循環することができなくなるんですね。
だから、各メーカーは施工要項という工事のルールで、「エアコンと天井との隙間は最低でも50mmは開けてくださいね」などのルールを作っているんです。
でも、取付スペースが確保できないとそんな50mmルールを守っていたらエアコンがそもそも取り付けできないんですよね。
なので、ダイキンは真上からお部屋の空気を吸い込むのではなく、やや斜め前方から空気を吸い込む方式に変えたんです。
これにより、エアコンと天井の隙間が50mm以下だったとしても、問題なく空気を取り込むことができ、お部屋の空気をしっかりと循環させることができるわけなんです。
空調専門メーカーが「狭い場所専用」に作ったエアコンですから、ちゃんとそういうことまで考えて設計しているんですよね。
素晴らしいです。
ですので、僕は個人的にこのダイキン の『Cシリーズ』、これが一番おすすめですし、ぜひ多くの方に採用してもらいたいと思っています。
しかし、僕がダイキンをおすすめする理由はこのような機能的な事だったり、設計的な事もありますが実はそれ以外の理由があったりします。
それは、ダイキンの空調メーカーとしての〝在り方〟が好きだからです。
エアコンが空気を温めたり、冷やしたりするのは、「冷媒ガス」というガスの仕組みによるものなのですが、今、世界中で使われている「R32」という冷媒ガスは実はダイキンが作ったものなんです。
「R32」という冷媒ガスはオゾン破壊係数がゼロ、地球温暖化係数も以前の冷媒ガスと比べて1/3となっています。
ダイキンはこのような地球環境に配慮した冷媒ガスを開発し、それをなんと全世界に無償で特許開放しています。
つまり、ダイキンは特許を取っているのにもかかわらず地球環境のことを考えて、世界中のメーカーに、「どうぞ自由に使ってくださいね!」と言っているんです。
このダイキンの空調メーカーとしての〝在り方〟、地球環境のことを考え、人類の未来のことを考え、目先の利益に走ることなく、〝みんなで取り組んでいこう!〟という姿勢、僕はダイキンのこういう姿勢が本当に大好きなんです。
僕は、「物を買う」っていうことはお金というという投票券を使って、応援したい企業を応援することだと思っています。
もしあなたが今、薄型エアコンの購入を考えていて、どのメーカーのどの機種にしようか迷っているのであれば、ダイキンのCシリーズを購入してもらえませんか?
なぜなら、一緒に「ダイキン工業」という企業を応援してほしいし、それが消費者ができる唯一の地球環境への配慮だと思っているからです。
ダイキンの回し者ではありませんよ。笑
一人のエアコン職人として、心からダイキンを応援しているからこそ、もっと多くの人にダイキン製品の素晴らしさを伝えたいからこそ、勝手にオススメさせてもらっているだけです。
薄型エアコン徹底比較!まとめと総括
さて、これまで日本の全メーカー中、薄型のエアコンを生産している大手6社の薄型エアコンを紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
各メーカーに言えることは、『薄型』という需要はそれほどないので〝薄型の生産にそれほど力を入れていない〟っていうことなんですね。
せいぜい1機種か2機種くらいで、東芝だけはなぜかやる気を出して4機種、富士通はなぜか横幅の狭い機種も用意していますが高さが250mm以下の機種は3機種。
でも、まぁその程度なんですよね・・。笑
高さの狭いエアコンを探し求めている側からすると結構、切実な問題だったりしますが、その切実な問題の割に、選択肢がほとんど無い状態です。笑
上に紹介した6社と、それぞれのラインナップを足しても全部で11機種しかないんです。
つまり、選択肢は11機種の中から選ばないといけない。
これはかなり理想と現実のギャップが生まれると思います。
「壊れにくさ」でいえば、今回紹介した6社の中ではダイキンが一番壊れにくいメーカーだと思います。
あとは機種の金額を調べていただいて、お財布と相談してもらえたらと思います!
では、以上です!
どうもありがとうございました!
Aircon Mediaでは「Air-concierge」(エアコンシェルジュ)をコンセプトに、『10年間の快適な空間』をお約束しています。高品質な工事はもちろん、10年間の製品保証ときめ細やかなアフターサービスを心がけてますので、エアコン工事で失敗したくない方はぜひ、Aircon Mediaにお任せください。