窓用エアコンはどんな場所に適している?エアコン職人が解説!

どうもこんにちは。
エアコン職人さかなです。

マンションとか団地で6畳のお部屋にエアコンをつけようと思ったときに、窓用エアコンという選択肢が出てくると思います。

今日は窓用エアコンと普通のエアコンとの違いと、そして実際に設置したときの工事料金の違いについて解説していこうと思います。

よろしくお願いします。

窓用エアコンのメリットデメリット

普通の一般家庭で設置するエアコンがルームエアコンで、俗に「セパレート型」と言ったりするのですが、それとは別に『窓用エアコン』というものがあります。

セパレート型の特徴としては、室内機と室外機の2つの機械に分かれていて、

  • エアコン専用回路
  • 配管穴

というものが必要となりますが、対して「窓用エアコン」ではエアコン専用回路と配管穴が不要です。

なので、マンションなどでエアコン専用回路がなく、配管穴もない場合では窓と通常コンセントさえあれば設置できる「窓用エアコン」という選択肢が出てくると思います。

窓用エアコンのデメリットとしては、

  • 主に6畳用くらいのものしかない
  • 稼働音がうるさい
  • 冷房専用しかない
  • 設置した時に窓との隙間ができる
  • 運転時に窓の鍵が締まらない
  • 冷房効率が悪い

という6つのデメリットがあります。

窓用エアコンのメリットとしては、

  • エアコン専用回路が必要ない
  • 配管穴が必要ない
  • 設置費用が安い
  • 簡単に設置できる
  • 本体代金がセパレートに比べて安い
  • 室外機が置けない部屋にも設置可能
  • ガス漏れや水漏れの心配がない

という7つのメリットがあります。

順番に解説していきます。

窓用エアコンを設置することで起こる6つのデメリット

1、主に6畳用くらいのものしかない

窓用エアコンにはそんなに大容量のタイプは存在せず、せいぜい6畳用程度の小さい容量の機械しかありません。

なので、例えば14畳のお部屋を窓用エアコン1台で冷やそうと思っても無理があります。

しかし、僕の経験上、窓用エアコンの必要性を感じるお部屋といえば、大体6畳のお部屋と相場が決まっておりますので、これは実際にはそんなに大きなデメリットではないような気がします。

2、稼働音がうるさい

稼働音がうるさい。

このデメリットは窓用エアコンを取付けた後に気がつく人が多いです。

僕も工事で窓用エアコンを取付けて試運転するのですが、ある一定の割合でお客さんに「意外と大きい音がするんですね!」と言われることがあります。

個人的にも「ブワァー!」と音がしてますから、結構うるさいと思っています。

これも慣れたらそんなに気にならないのかもしれませんし、人によっては全然気にならないことなのかもしれませんが、一応、普通のルームエアコンと比べると明らかにうるさいのでデメリットの一つとさせていただきました。

なので、あまりうるさいのが好きじゃない人、真夏の夜、静かな快適空間を求める方には向いていないんじゃないかと思いますね。

3、冷房専用しかない

窓用エアコンには冷房専用しかありませんので、エアコンに暖房機能も求める方は購入を控えてください。

4、設置した時に窓との隙間ができる

これはかなり重要なデメリットだと思うので、しっかりとお伝えさせていただきます。

窓用エアコンって、そもそも後付けで窓に強引に取り付けられるように開発したものなので、実際はそんなにしっかり綺麗に取付できるものではないってことをまずはご理解ください。

よく考えてみて欲しいんですけど、窓の大きさとか厚みとか形とか溝の数とかって全部違いますよね?

でも、全部違う窓に対応できるようにメーカーは頑張って開発して窓用エアコンを作ったんですからそれだけでも実はすごいことなんですよね。

なので多少、窓用エアコンと窓枠とか窓との隙間ができます。

これはもう仕方のないことだと思っていただきたいです。

素人がやってもプロがやってもどうしても隙間ができてしまうんです。

で、この隙間から「蚊」が入ってくるんですよね。

なので、ガムテープとかシーリングとかでその隙間を全部埋めてやりたいんですけど、でもそうすると今度は窓が一切動かせなくなってしまうんです。

窓用エアコンというのは、使用時には窓を半開きにして、エアコン本体の前面からお部屋の空気を吸い込み、前面から冷たい空気を吐き出すようになっていて、熱交換した暖かい空気は窓用エアコンの背面から吐き出すようになっています。

なので、お部屋の暖かい空気を排出する背面の窓は必ず空いていなければならず、使用時には窓を半開きにするのが条件です。

しかし、ガムテープとかシーリングで固定してしまうと、エアコンを使用していない外出時に鍵もかけれなくなるし、常に半開き状態になってしまいます。

なので、多少の隙間を良しとして使用するしかないのですが、そうすると、低層階のマンションとか団地だと「蚊」とか「虫」が進入してくるんですよね。

これ、大きなデメリットだと思います。

5、運転時に窓の鍵が締まらない

先ほどの「隙間ができる」という話とも重なってくるのですが、窓用エアコンの使用中は常に窓は半開き状態になっておりますので、エアコン使用中は防犯性が確保されていない状態になっているというわけです。

実際にはちゃんと窓は閉まるし、鍵もかけれるのですが、それは「エアコンを使っていない時」という条件がつくわけです。

エアコンを使っている時は熱交換のため、室内の熱を背面から排出できるように、必ず窓用エアコンの背面の窓は開けておかなければなりません。

もし、窓の開けていないと排出するはずだった熱が窓に当たって跳ね返ってきてしまい、冷房運転をしているのに「お部屋の温度が全然下がらない!」ということが起こります。

なので、窓用エアコン使用中は窓を開けておかなければならないのですが、そうすると窓が半開き状態で鍵もできませんから、例えば、夜に女性が一人で寝ているところに誰かが窓から進入してきて暴漢に襲われてしまうかもしれませんし、泥棒が入ってきたりと、とにかく防犯性がなくなってしまうという大きな問題があります。

団地やマンションであれば、廊下側の窓には格子がついていたりしますが、あの格子は実は外から簡単に外すことができますので、本気で外そうと思う人がいれば防犯性としてはかなり弱いと思います。

あとは、「窓ロック」みたいな簡易的な鍵もありますが、力のある男性が本気で窓を開けようと思ったら、多分すぐ外れてしまうと思います。

あれも防犯性としては頼りないです。

そもそも、窓用エアコンがついている時点で、そういう暴漢や泥棒に狙われやすいと考えた方がいいと思いますし、狙われやすくなるという時点で大きなデメリットなわけです。

暴漢も泥棒も、「なるべく入りやすい」窓を探しているわけであって、普通に窓が閉まっていて鍵が閉まっている窓と、半開きの窓が隣同士にあれば半開きの窓の方に狙いを定めやすいという理屈です。

侵入しようと思えば、仮に鍵がかかっていたとしても、窓を割って鍵を開けて侵入することだってできます。

でも、暴漢とか泥棒の心理的に、隣に「侵入しやすい窓」があればそっちに目が向くのは当然でしょ?と思います。

夜、寝ているときに鍵がかけられないのは防犯上、大きなデメリットだと思います。

6、冷房効率が悪い

これも「隙間ができる」と内容的に重なってしまうのですが、隙間ができるということは空気が出入りできるということであり、それはイコール、お部屋の冷えた空気が外に漏れ出してしまうことを意味します。

なので、空調というのは、できれば冷えた空気を長くお部屋に滞在させたいし、隙間をなくし、断熱性を高め、なるべく少ないエネルギーで効率よくお部屋を快適な空間にしておきたいわけです。

窓用エアコンには隙間ができますから、窓を閉め切って使うルームエアコンに比べてエネルギーロスが大きいことは間違いありません。

では続いて、あまりにも窓用エアコンの悪口を言いすぎて窓用エアコンちゃんが拗ねてしまっているので、逆にメリットの方をお伝えしていこうと思います。

窓用エアコン7つのメリット

1、エアコン専用回路が必要ない

窓用エアコンにはエアコン専用回路が必要ありません。

なぜなら、ルームエアコンに比べて最大運転電流値が低いので、壁内の電気配線が熱を持って発火したりということが起こる可能性が少ないからです。

これは大きなメリットかと思います。

古いマンションや団地だと、建築当時はまだエアコン専用回路という概念が普及していなかったため、エアコンのコンセントがない建物が普通でした。

しかし、昨今のエアコン事情ではエアコンには専用回路が必須であるという風潮が流れ、各エアコンメーカーも施工説明書に「必ずエアコン専用回路で施工してください!」と書くようになり、大手家電量販店も「エアコン専用回路がないお部屋にはエアコンを取付することはできません!」と大声を上げるようになりました。

〝じゃあエアコン専用回路を後から作ればいいのではないか?〟

そう思われる方も数多くいると思います。

しかし、エアコン専用回路を増設するという工事にはいくつか超えなければならないハードルがあります。

それは、まず2万円とか3万円とかの電気工事代金がかかること、隠蔽配線は難しいので壁や天井に穴を開けざるを得ないこと、マンションや住宅の管理会社の許可が必要なこと、それらの工事をやっても退去時に現状復帰しろとか言われるかもしれないし、そうでなくても退去時にはそのお金は帰ってこないこと・・・などがあります。

よくよく考えてみると、県営住宅とかマンションとかって、「借りてる」ものですよね。

その設備に不満があるから、入居者負担で設備を増強するのに、退去してもそのお金が戻ってこないのはおかしいですよね。

じゃあ、もし入居者が電気工事してエアコン専用回路を作って、それで退去した後に管理会社がその設備をそのまま次の人に貸したら次の人はただラッキーなだけですよね。

なので、「現状復帰しろ」と言うのであればまだわかりますが、ほとんどの場合はエアコン専用回路はそのままにして次の入居者がありがたく使うことになるわけです。

それって、じゃあ、その分のお金を管理会社なりオーナーなりが負担しないとおかしいんじゃないの?って僕は思います。

いずれにしても、その専用回路工事はお金を払っても自分の持ち物にはならないし、退去時に返ってくることもないし、むしろ現状復帰だとしても今度はまた撤去代がかかるわけです。

エアコン専用回路を作ると言うことはそういうことなのです。

なので、そういう手間が一切ない窓用エアコンという選択肢に価値が出てくるんですね。

2、配管穴が必要ない

専用回路の話とも重なってくるのですが、普通はルームエアコンであれば配管穴というのが必要になってきます。

室内機と室外機を繋ぐ管がありますから、その管を屋外に出すための穴ですね、これが必要になります。

マンションや県営住宅などは「鉄筋コンクリート造り」(R.C造)ですから、その穴を開けるのも簡単なことではありません。

その穴を開けるだけでも1万円〜2万円の費用がかかったりします。

穴を開ける方法以外には、例えば換気扇の穴を利用して配管を外に出すとか、小窓パネルと言われる部品を使って窓から外に出すとか、色々と方法はあるのですが、まず、換気扇の穴を利用する方法は、建築基準法に抵触する恐れがあります。

お部屋の空気というのは、完全に閉め切っていると人間の呼吸で二酸化炭素濃度が上がっていくので、空気がどんどん汚れていくんですね。

それで酸欠になったり健康被害が出る恐れがあるので、R.Cの建物の居住スペースは必ず換気ができなければならないという法律があります。

しかし、その換気口を利用してエアコンの配管を外に出し、そして、隙間から虫が入ってくるといけないからと言って、隙間をパテやなんかで完全に埋めてしまうと、それだけで換気口の意味がなくなり、建築基準を満たしていない居住スペースになってしまうんです。

なので、換気口を利用してのエアコン工事は基本的にはN.Gです。(実際はよく見かけますけど)

小窓というのは、窓の上部にもう一つ、高さ10cmほどの小さい横スライド式の窓があるアレのことです。

小窓パネル画像

その小窓を利用して小窓パネルを付け、そこから配管を外に出せるのであれば、それが一番いい方法かもしれません。

しかし、小窓がないタイプの普通の窓ですと、今度は小窓パネルよりももっと大きい「窓パネル」という部品を使うことになり、これは窓用エアコンと同じく窓を半開きにしてエアコンの管を屋外に出す方法なので、防犯上の問題が出てきます。

しかも、窓パネルですと外出中も鍵をかけることができないので、これまた泥棒にとっては「侵入しやすい窓」になってしまうわけですね。

普通のルームエアコンのメリットであるはずの防犯性が、配管穴を開けずに窓から配管を出すことにより消滅してしまうので、それであれば窓用エアコンを付けても同じなのではないか?という考えもあることでしょう。

そういう意味で、配管穴を開けなくても設置できるのはやはりメリットかと思います。

3、設置費用が安い

窓用エアコンは、普通のエアコンと比べて設置費用が安いです。

なぜなら、まず材料がほとんど必要ないこと、普通のエアコンと比べて取付時間が半分以下で済むこと、労力がかからないこと、などが主な理由として挙げられると思います。

設置費用は通常のエアコンの半分以下に設定している工事屋さんが多いと思います。

具体的な金額は実際に設置をしてくれる工事屋さんに確認してみてください。

4、簡単に設置できる

簡単に設置できるというのは、工事屋さんにとってもそうですが、お客さんからみてもという2つの意味合いがあります。

お客さんから見て、簡単に設置できるというのは、別にDIYで自分で簡単に取り付けできますよ。という意味ではなく、精神的にも時間的にも労力的にも簡単にできるという意味です。

つまり、普通のセパレート方のルームエアコンを取り付ける場合には専用回路が必要であり、配管穴が必要であり、管理会社の許可が必要であり、さらに量販店などに行って機種を選んだり、様々な打ち合わせをしたり、工事屋さんが事前見積もりにくるのでその時間を空けていたり、工事で音が出るので近隣に挨拶に回ったり、室外機がくるので自転車を移動したり廊下が狭くなったり、退去のことを考えるとまた取外し代金がかかったり・・・

そういうルームエアコンを付けると決心したことによって起こる様々な余波と言いますか、「やらなくてはいけないこと」に振り回されますがいいんですか?ということです。

窓用エアコンであれば、そのような面倒なことからは開放されます。

ささっと取り付けて、それで終わりです。

5、本体代金がセパレートに比べて安い

本体代金はちょっと安いです。

普通のエアコンが6〜7万円だとしたら、窓用エアコンは4〜5万円で買えると思います。

6、室外機が置けない部屋にも設置可能

室外機が置けないお部屋ってあるんですよね。

例えば、一戸建ての3階のお部屋で梯子が立れなくてそもそも工事できないとか(弊社ならどんな場所でも工事可能です)

マンションの高層階で窓の外にベランダなど何もないとか、実は室外機が置けない事例っていうのは色んなパターンがあったりします。

室内機も付けれる、エアコン専用回路もある、エアコンの穴もある、でも室外機を置く場所がない。

っていう嘘のようなことって本当にあって、それはもう完全に設計が悪くて、室外機を置き場を計算にいれていなかった。というだけの単純な話なのですが、そういう場所にも、窓さえあれば、窓用エアコンは設置可能です。

7、ガス漏れや水漏れの心配がない

窓用エアコンは室外機と室内機が合体したような機械なので、取り付け工事は必要ですが機械同士を繋いだりとか、真空引きとか、ドレン配管とか、そういう現場で必要な特別な工事をすることがありません。

機械を持ってきてただ窓につけるだけの簡単工事ですから、誰がやっても同じですし、ガス漏れも起きませんし水漏れも起きません。

普通のルームエアコンですと、工事が悪いと水漏れして真下においてあったテレビが壊れたりソファが濡れたり、大事になることもありますが、そういうリスクは全くありませんし、ガス漏れでエアコンが冷えなくて、修理依頼をしたけどどこも繁忙期で忙しいみたいですぐには来てくれなくて寝苦しい夜を何日か過ごす…というリスクも全くありません。

これは窓用エアコンにしかないメリットかと思います。

まとめと総括

以前は普通のルームエアコンと比べて「冷えが悪い」と言われていた窓用エアコンですが、今はかなり改善されてきているようで、RC鉄筋コンクリート造りのマンションで6畳の部屋であれば個人的にはそんなに能力に差はないように感じます。

あとは、窓の大きさにもよりますが、「はめ殺し」など場合によっては窓用エアコンですら取り付けできない場合もありますが、窓の内寸高さが70cmもあれば大体の機種で窓に取り付け可能です。

ドレン水に関しても、今の窓用エアコンは機械の中でドレン水を蒸発させる仕組みになっていますので、外にはほとんど水が出てきません。

着脱が簡単で、専用回路と配管穴の必要がなく、ガス漏れや水漏れの心配がないことも大きなメリットだと思いますね。

今回、メリットとデメリットをたくさん紹介させていただきましたが、この記事でほとんど判断材料はお渡しているはずですので、あとはお客さん自身でその材料をもとに決めてもらえればと思います。

それでは終わります。

かなり、窓用エアコンについて語ってしまいましたが、長かったですよね…
最後までお読みいただいてありがとうございました!

Aircon Mediaでは「Air-concierge」(エアコンシェルジュ)をコンセプトに、『10年間の快適な空間』をお約束しています。高品質な工事はもちろん、10年間の製品保証ときめ細やかなアフターサービスを心がけてますので、エアコン工事で失敗したくない方はぜひ、Aircon Mediaにお任せください。

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