エアコン工事の配管延長料金について職人が直接解説します

どうもこんにちは。
エアコン職人さかなです。

今日はエアコンの『配管延長料金』について、料金とその内容を解説していきますが、まず最初に注意点としてお伝えしておきたいのが、これからお伝えすることは、あくまで一般的な業界標準の話であり、その基準として、大手家電量販店の金額を参考にしているという点です。

なので、当然、依頼する工事屋さんによって、多少、内容や金額が変わることがあると思います。

こちらの記事でお伝えしていることが、実際には「必ずしもそうとは限らない」ということをご了承くださいませ。

よろしくお願いします。

標準取付工事は4mまでが基本

エアコンは室内機と室外機の2つの機械からできており、その2つを「配管」と呼ばれる管で接続することでエアコンが動きます。

「配管延長料金」とはその名の通り、配管を延長する時に必要な追加料金なのですが、標準取付工事に含まれている配管長は4mまでなので、4mを超えた分から1mごとに追加になるのが基本です。

つまり、簡単に言えば、室内機と室外機の距離が4m以内であれば標準工事の範囲内で、室内機と室外機の距離が4mを超えたら追加料金になるということです。

そして、「配管延長」とはいいますが、実際には延長しているわけではなくて、職人はいつも20m巻きの配管を使っていて、使う分だけ切り出してくるので、6m必要であれば6m切り出してきますし、4m必要なら4mだけ切り出してきます。

決して、4mの配管に毎回延長があるたびに、継ぎ足して使っているわけではありませんのでご注意ください。

配管延長の料金

例えば、室内機と室外機の距離が6mだったとします。

そうすると、標準工事は4mまでですから、2mの配管延長ということになり、大手量販店では2m×3300円=6600円になります。

全長が9mだったら、5m×3300円=16500円になります。

例えば、室内機と室外機の距離が4.1mだったとします。厳密には、室内機の配管繋ぎ口から、室外機の配管繋ぎ口までの距離なのですが、直線距離で4.1mだったとします。

その場合、配管延長1mで3300円の追加料金になります。

たった10cmと思われるかもしれませんが、どこに線引きがあるのかと言えば、標準取付工事の配管長は「4m以内」なので、4mを1cmでも超えたら1m追加の計算になります。ご注意ください。

5.1mであれば、2mの配管延長で6600円の追加料金になります。

特殊な配管延長、「ユニオン」

「ユニオン」という部品があります。

「ユニオン」とは、英語で「結合」などの意味になります。

つまり、2つ以上のものをつなげる時には全て「ユニオン」というのですが、エアコン業界では主に配管同士をつなげる意味で使います。

この「ユニオン」はどんな場合に使うのかというと、隠蔽配管などで壁の中に配管が仕込んであって、その隠蔽配管を利用してエアコンをつけたいんだけれども、配管が短くてエアコン本体に届かないとかですね、そういう時に使ったりします。

こちらは先ほどの必要な分だけ切り出してくる方法と違い、本当に継ぎ足して使うモノになります。配管を自由に延長することができるのですが、「ユニオン」も特殊な真鍮部材を使いますので、追加料金がかかります。

大手量販店ではユニオン工事には2200円の追加料金がかかりますし、もちろん、延長した分だけの配管延長料金もかかります。

例えば、隠蔽配管で室外機まで配管が届かない場合、ユニオンを使用して配管1mの延長で届いた場合、ユニオン代が2200円、配管延長代が3300円、合計で1m延長するのに5500円かかるということです。

配管溶接延長

もう一つの延長方法は、ユニオンなどの特殊な部品を使うことなく、配管を火で炙って「ロウ付」による直接延長になります。

イメージしにくいと思うので、大体、「ハンダ付け」をイメージしてもらえればいいと思いますが、配管を火で炙りつつ、接続箇所にロウ材を流し込んで溶接します。

配管溶接の方がユニオンよりも仕上がりが綺麗で、ガス漏れのリスクが少ないと言われています。

溶接する人の技術にもよりますが、ロウ付けに慣れている人であれば、まずガス漏れすることはありません。

しかし、配管溶接の追加料金は、大手量販店では料金設定がなく、普通のルームエアコンの職人さんではできない人が多いです。

溶接の技術は業務用エアコンをやる人の技術ですので、家庭用のエアコンばかりやっている人だとほとんど90%以上の人が溶接できません。

大手量販店では料金設定がないのですが、もし、僕が量販店で金額を出すとすれば溶接1箇所で5500円くらいだと思います。

実際には、溶接作業と配管延長料金がかかるので、1m延長だと5500円+3300円で合計8800円の追加になります。

ユニオンよりも少し高くなりますが、仕上がりが綺麗で、ガス漏れのリスクがほとんどなくなることがメリットです。

以上、配管延長の追加料金と作業内容でした。

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