どうもこんにちは。
エアコン職人さかなです。
今日はエアコン室内機の「タテサン」について、料金とその内容について解説していきますが、まず最初に注意点としてお伝えしておきたいのが、これからお伝えすることは、あくまで一般的な業界標準の話であり、その基準として、大手家電量販店の金額を参考にしているという点です。
なので、当然、依頼する工事屋さんによって、多少、内容や金額が変わることがあると思います。
こちらの記事でお伝えしていることが、実際には「必ずしもそうとは限らない」ということをご了承くださいませ。
よろしくお願いします。
タテサンとは?室内機吊り金具
タテサン、たてさん、たて桟、縦桟、室内吊り金具、と言ったりしますが、室内機を壁に固定するための金具のことです。
室内機は通常、壁面に取付けますが、その壁面にビスで固定できない場合があります。
壁の材質が、土壁とか、薄いベニヤ板とか、あとはコンクリートとか、いろんな理由で室内機が固定できない場合があります。
最近の室内機は特に重たい機種が多く、一番重たい機種だと室内機だけで20kgにもなるものもありますから、重さ的には小学校低学年くらいの子供がぶら下がっていることになります。
そうなると、それだけ壁の強度が求められますし、しっかりと固定できないと室内機が落下してしまいます。
そのような場合に使うのが「たて桟」です。
『土壁のたて桟取付け』
土壁の場合は、壁面が土とか泥を固めてできていますから、通常のビスを壁に打ち込んで固定する方法が使えません。土ですから、ビスが効かずにすぐ抜けてきてしまうんですね。
なので、土壁部分にはビスを打つことはせず、その上の廻り縁などに「たて桟」のビスを打ち込み、まずは「たて桟」をしっかり固定してから、その「たて桟」に室内機を固定します。
強度の弱い薄ベニヤなどでも同じで、重たい機種ですとベニヤに打ち込んだビスがズボッ!と抜けて、室内機が落ちてきてしまいますから、薄いベニヤ部分ではなく、天井付近の薄ベニヤを固定している太い木にたて桟を固定します。
『コンクリート面へのたて桟取付け』
壁面がコンクリートの場合、土壁や薄ベニヤと違って、今度は硬すぎてビスを打ち込むことができないんですね。
コンクリートにビスって打てないんです。
なので、よく団地や古い社宅などで見かけると思うんですけど、廻り縁っていう木の部分にたて桟を固定し、そのたて桟に室内機を固定するという方法を取ります
しかし、コンクリートの場合はもう一つ室内機を固定する方法があって、それは「コンクリートプラグ」とか「コンクリートアンカー」とか、「コンクリートビス」と言われる、コンクリートに何かを固定する時に使う特殊な方法がります。
いずれにしても、コンクリートにそのままビスを打ち込むことができないので、一度、コンクリートにハンマードリルと言われる電動工具で下穴を開け、その下穴を利用してビスやアンカーを固定していきます。
この作業はすごく大きな音がでますし、粉も出ますので、集合住宅だと少し気を使いますし、手間も時間も余分にかかるので、たて桟よりも割高になることが多いです。
大手量販店ではコンクリート面にビスでエアコンを固定する場合、3300〜5500円くらいかかります。
では、たて桟の取付け料金はいくらなのか?
たて桟の料金
大手量販店では、たて桟の金額は2200円です。部材代金と取付け代金を含めた料金です。
たて桟のデメリット
たて桟のデメリットは、壁と室内機の間に1cmほどの隙間が開いてしまうことです。
通常であれば、エアコン室内機は壁とぴったり隙間なく設置できるのに対し、たて桟使用時は隙間が開いてしまうので、それが嫌だという人もいます。
隙間が開いているからと言って、どうということもないのですが、ホコリが溜まるとか、虫がどうとかいう人がいます。
個人的にはホコリもたまらないし、取外した時に虫が出てきたこともないし、むしろ壁がカビなくて逆に良いくらいに思っているので、隙間くらいそんなに気にしなくてもいいのかなと思っています。
エアコンでもなんでもそうですが、虫とかホコリとか気にする方はいるんですけど、何を根拠に言っているのかなと思います。
根拠がないならそれはもはや、「ただの妄想」です。ただの妄想に対して、不必要に恐れを抱くことってあまり現実的ではないですよね。
『恐怖の大王が空からやってきて地球が滅亡する』という情報を根拠もなく信じてしまうのと原理的には同じ気がします。
とは言いつつも、やはりお客さんの気持ちが一番大事ですから、そういう、たて桟を使いたくないという方も一定数いらっしゃいますので、デメリットとは言わないですが、隙間が開くことは事実です。
隙間が嫌だというお客さんには、たて桟ではなく、木の板を取付面全体に貼り付け、その木の板に室内機を固定する方法があります。
これなら隙間も開きませんし、
見た目もすごくいいと思います。見た目の話が出たのでついでにお伝えしておきますが、たて桟の場合は見た目もちょっと悪いです。
写真を見ていただければわかるかと思いますが、室内機の後ろに白い金属の棒が2本上下に固定されていますから、「なんか棒があるな!」というくらいには気になります。笑
『↓なんか棒がありますよね』
この見た目はもうどうしようもないので、これも大きなデメリットだと言えると思います。
たて桟の強度と取付方法
では強度はどうなのかというと、金属の2本の棒に設置しているだけですから、普通の壁面に取り付けるよりかは強度は劣ると思います。
しかし、20kg30kgくらいなら平気で吊れる強度はありますので、特に問題もないと思います。
僕がこれまで何千台とエアコンをみてきた中で、たて桟を使ったことによる室内機の落下はみたことがありません。
普通の壁面取付の室内機が落ちているのは何度か見てますが、たて桟使用の落下はみたことがないので、それくらいの確率で大丈夫だと思います。
強度の話でもうひとつお伝えしておかなければならないことがありまして、それは、「2点固定か4点固定か」ということです。
たて桟は廻り縁に固定するのが一般的ですが、廻り縁だけに固定するパターンが2点固定です。
これは、言ってみればただ上が固定されているだけ、つまり、「ぶら下がっているだけ」ということです。
室内機を大きく揺らすと結構グラグラ動きますし、外れたりはしませんが、4点固定に比べて強度が劣ることは事実です。
対して、4点固定はどうなのかというと、上も2点で固定して、さらに下も2点で固定し、合計で4点で固定するのでかなり頑丈です。
室内機を動かしても全く動きませんし、グラつきもありませんし、「ぶら下がる力」と「下から支える力」が加わるので、相乗効果で絶対に外れない安心感があります。
しかし、取付場所の条件によって、2点固定しかできない場合があるので、普通は4点固定するのですが、仕方なく2点固定で済ませることもあります。
以上、「たて桟」の解説でした。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
Aircon Mediaでは「Air-concierge」(エアコンシェルジュ)をコンセプトに、『10年間の快適な空間』をお約束しています。高品質な工事はもちろん、10年間の製品保証ときめ細やかなアフターサービスを心がけてますので、エアコン工事で失敗したくない方はぜひ、Aircon Mediaにお任せください。