どうもこんにちは。
エアコン施工職人「さかな」です。
今日は、お部屋の広さから最適なエアコンの選ぶ方法について解説していきます。
メーカーは自分たちにとって良いことしか言いませんし、量販店の販売員も都合のいいことしか言いませんので、最も消費者の立場に近い施工職人の意見を参考にしてみてください。
ぜひ、最適なエアコンを選ぶための、一つの判断材料にしていただきたいと思います。
それでは早速いってみましょう!
エアコン施工職人が教える、『本当のエアコンの選び方』です。
※多少、行き過ぎた表現がありますが、あくまで個人的な意見ですので、絶対に参考程度にとどめておいてくださいね!
部屋の広さからエアコンを選ぶ方法
エアコンというのは本当に様々な種類があるのですが、「部屋の広さ」という判断基準であれば、『冷房能力』(kw)という数字を見ればすぐに判断ができます。
例えば、
- 6畳用であれば、冷房能力2.2kw
- 8畳用であれば、冷房能力2.5kw
- 10畳用であれば、冷房能力2.8kw
- 12畳用であれば、冷房能力3.6kw
- 14畳用であれば、冷房能力4.0kw
- 18畳用であれば、冷房能力5.6kw
- 20畳用であれば、冷房能力6.3kw
- 23畳用であれば、冷房能力7.1kw
- 26畳用であれば、冷房能力8.0kw
- 29畳用であれば、冷房能力9.0kw
というように、基本的には、お部屋の広さがわかれば、そのお部屋の広さに対応する冷房能力のエアコンを選べば問題ありません。
部屋の広さに対して、小さいエアコンをつけたらどうなるのか?
例えば、14畳のお部屋に8畳用のエアコンをつけたらどうなるでしょうか?
答えは、『全く冷えないことはないけど、真夏の一番暑い時期にはちょっと厳しい』と思います。
僕も普段はエアコン工事をしていますから、たまに、お部屋の広さに合わないエアコンを購入される方がいるんですね。
そういう方には、「このエアコン、お部屋の広さに合ってないですけど大丈夫ですか?」って必ず聞きます。
だって、エアコンが一番必要な時って、一番暑い時期じゃないですか。当然ながら。
そんな肝心な時に冷えないんじゃ意味ないですよね・・・。笑
折角、高いお金を出して買うんだったら、ケチケチせずにちゃんと正しい冷房能力のエアコンを選ぶようにした方が後悔がなくていいんじゃないかと思いますね。
なので、14畳のお部屋に8畳用のエアコンをつけたりとか、そういうことをすると当然、冷えない場合があるってことを考えると、安いからと言って、容量の小さいエアコンを選ぶことは避けた方がいいと思います。
鉄筋コンクリートと木造の違い
ただしですね、エアコンの冷房効率というのはお部屋の作りによっても全然変わってきます。
よく言われるのは、鉄筋コンクリートの方がよく冷え、木造の方が冷えない。と言われています。
これは本当にその通りで、自分で実験してみればわかりますが、鉄筋コンクリートの方が断然効きがいいです。笑
ですので、仮に14畳のお部屋でも鉄筋コンクリート造りであれば12畳用のエアコンでも問題なくお部屋を冷やすことができたりします。
逆に、木造で窓が大きくて日当たりが良かったりするとちゃんと部屋の広さにあったエアコンを付けていても「冷えにくい」とか「常に強風設定にしないと冷えない」ということも起こります。
これらの例外に関しては、僕らのようなプロのエアコン職人なら見ただけで分かったりしますが一般の方ではなかなか判断しづらい部分の話でもあります。
ですので、次章ではそんな例外についても補足しておきます。
参考になさってくださいね!
部屋の広さにあったエアコンを付けていても部屋が冷えない4つの例外
【例外その1】〜古い木造一戸建ての「南西」のお部屋〜
まず、僕が今まで経験してきた中で、一番多い例外は木造二階建ての南西のお部屋のエアコンです。
日本の建築の間取りでは2階のお部屋は6畳が一番多いのですがちょっと古い木造一戸建てで「南西」のお部屋は正直、かなり冷えにくいです。
古い建物だと、壁の断熱効果も薄いですし真夏の一番暑い時期の一番暑い時間帯ではかなりエアコンの効きが悪くなります。
僕がエアコンを取り付けていてよく相談されるのが「2階のエアコンの効きが悪いんだけどちょっと見てくれない?」っていう相談です。
で、エアコンをつけてみると、その時は正常に動くんですね。
全く問題ない。
でも、お客さんは「夏につけると全然効かない」って言うんです。
で、お客さんは「室外機が悪いのかも」とか「室外機に直射日光が当たっているのが原因かも」とか「ガスが抜けてるのかも」とかいろんな想像をしているみたいなんですけど、原因はそういうことではなくて『ただ冷房能力が負けているだけ』なんですね。
「熱」というのは温度の高いところから低いところへ流れます。
ですから、真夏で35度を超える日なんて外部からも熱気が部屋にどんどん侵入してきているんですね。
で、その侵入してくる熱よりも早くさらに冷たい風をエアコンが送ることでお部屋が冷えるんです。
でも、その侵入してくる熱気にエアコンの冷風が負けていると、お部屋が全然冷えないってことが起こります。
エアコンをつけているはずなのに額に汗がにじんでくる感じですね。笑
それは、単純に「パワー不足」ってことなのでちょっと古い木造一戸建てで、「南西」のお部屋はワンランク上の広さのエアコンも検討してみてください。
もし、ご自宅の断熱構造が気になるようでしたら施工図面を確認してみたり、施工会社に問い合わせをしてみるといいと思います。
外壁が「サイディング」断熱材が「グラスウール」内壁が石膏ボード+クロスであれば断熱性能としては問題ありませんので安心してください。
残念ながら、「土壁」だった場合、断熱効率はかなり悪いので、その場合はワンランク上の広さのエアコンを購入検討されてもいいかもしれませんね。
【例外その2】〜吹き抜けリビング〜
吹き抜けも注意が必要です。
というのも、冷房能力というのはお部屋の畳数で表示されていることが多いのですが、それはあくまで〝一般的な天井の高さ〟を想定しての話です。
エアコンというのはお部屋全体の空気を冷やさないといけないので、吹き抜けがあれば当然、冷房効率は下がります。
しかし、冷房であれば冷たい空気は下の方に溜まっていきますからまだいいんですけど、それが暖房ともなると暖かい空気は上の方に上がって行ってしまいますから、そうなると暖房はほとんど効かないと覚悟した方がいいと思います。
なので、吹き抜けがあると、冷房でも少し効率が下がりますので、最近流行りのリビングが吹けになっているお部屋では1〜2ランクくらい上の畳数のエアコンを購入されることをお勧めします。
つまり、リビングが14畳だったとしても吹き抜けがあれば、18畳用のエアコンを購入したほうが安心です。
折角新品のエアコンを付けても、真夏の一番暑い時期に効かなかったら意味がないと思いますし、使っていても「ストレス」だと思うんですよね。
もちろん、本体値段も少し高くなってしまいますが、僕は1〜2ランクは上のものをお勧めします。
ギリギリのパワーの物を買っても、常にフルパワー運転してたら電気代も余計にかかるし、内部のモーターにも負荷がかかって寿命も短くなる場合があります。
少し大きめのものを買っておけばちゃんと冷えるし、音もうるさくないし、電気代も少しは節約できるし、トータルで考えてメリットの方が大きいからです。
もし、吹き抜けのお部屋にエアコンを取り付ける場合は、その辺りのことも考慮してみてくださいね!
【例外その3】〜窓が多い、扉が多い、階段で2階とつながっている〜
窓が多いとそれだけ断熱効率も悪く、さらに日光からの赤外線効果で部屋が冷えにくくなります。
扉も理屈は同じで、扉が多いとその部分は断熱材が入っていないので、扉が多ければ多いほど断熱効果は下がっていきます。
ですので、「窓が多い」「日当たりがいい」「扉が多い」などの場合、1〜2ランク大きめのエアコンを購入されることをお勧めします。
そして、最近良く見かける構造なのですが、1階のリビングに2階への階段があり、2階と1階リビングが階段部分で繋がっている構造のお部屋ですね。
最近は本当にこういうお部屋を良く見かけますが、例えば、リビングでエアコンを使っていても、階段から2階の熱気が降りてきたら、冷房効率が下がるのは当然ですよね。
ですので、もしできるのであれば扉を設置したり、アコーディオンを設置したり、カーテンを一枚設置するだけでもかなり冷房効率は変わってきますので、そのような対策をしていただくか、もしくは、電気代を一切気にせず、2階からやってくる熱気に負けない冷気をエアコンから出し続けるかの2択になります。
冷房なら冷たい空気は足下から溜まっていきますので、暖房に比べてまだエネルギーロスは少ないかと思いますが、暖房の場合は天井付近に溜まった暖気が、階段を通じてどんどん2階に流れて行ってしまい、肝心の人が生活している高さまで暖まらないということが起こります。
足下はもっと冷え冷えとしていると思います。
この場合も、当然普通の畳数ではなく、1〜2ランク上の畳数のものを購入することをお勧めします。
【例外その4】〜部屋の形がいびつ〜
例えば、お部屋がものすごく横長なんだけど、そのお部屋に対して短い方向にしかエアコンが取り付けられない場合、エアコンの目の前に障害物があって部屋全体に風が送れない場合、「梁」や「間仕切り」が多く、お部屋の見通しが悪い場合などなど、とにかく「エアコンの風通しが悪いお部屋」というやつですね。
この場合も、お部屋の一部はちゃんと冷えるけれどもお部屋の一部は全く冷えない。っていうことが起こります。
特に、こういう歪な形のお部屋はリビングに多く、キッチンと反対側にエアコンを設置することが多いんです。
そうなると、真夏の一番暑い時期に、カウンターキッチンで料理をしているとかなり暑さを感じると思います。
エアコンの冷気はキッチンまで届かないし、さらに火を使ったりコンロを使っていると、料理をしている人は堪ったものではありません。
ですので、ちゃんとお部屋全体を冷やしたいと思うのであれば、1〜2ランク上の大きさのものを購入することをお勧めします。
まとめと総括
以上、お部屋の広さ、間取りから、最適な冷房能力のエアコンを選ぶ方法をご紹介しました。
実際、プロが見れば適切な判断ができるかもしれませんが身近にエアコンのプロがいる人の方が少ないですし、多くの人は、量販店などで、店員さん聞くしかありません。
しかし、エアコンのことをよくわかっていない本人が、エアコンのことをよくわかっていない店員さんに伝えたところで、それが正しい判断につながるかどうか怪しいところです。
量販店の店員さんの中にも慣れていない方もいますし、自分たちの都合のいいことしか言わないし、売れ残りを処分したがったり、大量仕入れによって、価格を下げている現状があるので、大量仕入れした商品を大量に売り切りたいという思惑もあります。
やはり、大事なのは最適なエアコンを選ぶことができる「最低限の知識」を、消費者自身が身につけるしかないんですね。
で、最適なエアコンを選ぶことができる知識は、ほぼ全部、このサイトで身につくと思いますのでまた色々覗いてみてくださいね!
エアコンって結構大きい買い物です。
リビング用だったら平気で20万円30万円しますよね・・・。
大きな買い物だからこそ、後悔のない選択をしてみてくださいね!
Aircon Mediaでは「Air-concierge」(エアコンシェルジュ)をコンセプトに、『10年間の快適な空間』をお約束しています。高品質な工事はもちろん、10年間の製品保証ときめ細やかなアフターサービスを心がけてますので、エアコン工事で失敗したくない方はぜひ、Aircon Mediaにお任せください。
では、良いエアコンライフを!
ありがとうございました!