戸建て全館空調複合天井埋込ダクト形エアコンユニット更新
埼玉県さいたま市 2023年7月施工
こちらの案件は戸建て住宅ですが、全館空調システムのエアコン機器の交換工事のご依頼です。
まず最初の印象として大変よく考えられており、丁寧に作られた素晴らしいシステムです。
こちらのシステムは全館空調(冷暖房)の系統が24時間全館換気システムに組み込まれ、装置一式が小屋裏に設置されています。
エアコンを起動していない状態では、屋外から取り入れた新鮮な空気は換気系統の熱交換器にて各居室から吸引排気された空気を用いて近い温度に調整され他の地に送風されます。
冷房又は暖房が必要な温度や質の度場合にはエアコンにより空調された空気を換気系統熱交換器の調整後の送風に混ぜて全館の温度を更に調整する仕組みになっています。
この既存の換気系統の機器と合流するオーダーメイドの混合器の接続部分のサイズが同じダクト式エアコンがあれば交換はスムーズですが施工当時から10数年~20年程経過していますので同型機ではサイズが変更されてしまっています。
この混合器を改めて作り変えるとなるとそれなりの金額が掛かることになります。
また近年の温暖化の影響か特に夏の冷房性能の不足が顕著に感じされ今回改善しなければならないもう一つの課題でもあります。
量販店ではこのような工事は断られてしまいます。 またどこの空調工事業者に相談したらよいかもわからずネットにて検索し、気象条件の変化を考慮したプロによる適切な機種の選定と確かで経済的な施工を期待してAircon Mediaをご指名頂きました。
工事概要
- 入替 天井埋込ダクト形 5.0kW標準タイプ→5.0kW高静圧タイプ(パッケージエアコン)
現地作業期間 | 延べ1日間 |
参考工事総額 | 約60万円 |
今回の工事の特徴
クライアント様の要望
- 夏が暑い(冷えが悪い)
- 風量が足らない
- 空調性能増強をするも電気代も気になる
- 既存換気システムを流用したい
先ずは建物の施工当時の図面をお借りいたしまして「全館空調システム」として建物全体を24時間稼働で1年を通して快適な状態に保つために必要な容量を正確に計算します。
これにより導き出された要求は5.0kWでしたので既存の容量から変更ありませんでした。
実際の計算書の内容です
Aircon Mediaでは必要に応じてこのように負荷計算を行い無駄の無い容量や性能要件に基づきを提案しますので、多めに見積もって無駄に容量の大きい機種を販売することはありません。
考えられるのは流量(風量)不足です。
今回現調の際に風量2段階調整(強・弱)が「弱」になっていましてお客様にお伺いしたところしばらく変えずに真夏の期間も弱風で運用していたとのことです。
そうしますと風量は必要に応じて強風に切り替えることにより解決できそうです。
24時間稼働するものですので消費電力も無視できません。 特に昨今電気料金の値上がり傾向はと止まることなく続いていますし、今後さらに高くなることはあっても安くなっていくことは考えにくい状況です。 この点は機種選定が決まったところで最善策を導き出します。
次の既存設備とのサイズの問題です。
同型・同シリーズはモデルチェンジによりダクト形状が変更されており戸同時に本体サイズも現在使用中の特製金属架台よりも大きいものとなりそのまま出の入れ替えが不可能です。
この架台には換気ユニットも架設されていますので全体の配置を変える必要が発生してしまいます。
当社提案
- 容量は5.0kWで変更なし(冷暖房負荷計算による)
- 旧型と同サイズの筐体モデル選定
- 風量不足対策で高静圧タイプ
- 新型リモコンの導入
- ロングライフフィルター導入
計算書に基づき上記の機種選定を提案させて頂きました。
今回は同等モデルの標準タイプでは筐体サイズが異なりそのまま入れ替えが不可能でしたが同容量で高静圧タイプを選択することで同じ筐体サイズを選定可能なことが判明しました。
高静圧タイプであれば風量不足の対策にもなりますので一石二鳥です。
省エネ性に関しては現行モデルの標準タイプが当時モデルの上級グレード相当の省エネスペックですが、今回は更にその上位グレードの最も省エネ性能の高いモデルを選定しました。
5.0kWより大きいモデルは筐体サイズが異なり入替不可能でしたので今回は丁度ぴったりのモデルを計算結果に基づき提案することができました。
この計算をしっかりしない業者の場合は、特に夏場の冷房性能不足を指摘された場合に保険として大きめの容量を進めて後のクレーム対策とする判断を行うことが現実としてございます。 決して間違いではないと思われますがそれにより架台の新調や接続の為の再利用不可能部品の加工・新規購入、加えてエアコン自体の価格の増加等で工事総額が大きく膨らむことは避けれません。
「エアコンは大は小を兼ねない」の詳しい説明はコチラ
全てを満たすことができない条件の組み合わせの際は様々な要求の優先順位を見出して安全な運用を担保した上でどのリスクをどのレベルで受け入れ、その結果どれだけの利得があるのかを検討して判断していただく必要があります。
ここを正直に明示し説明させて頂きお客様の本当の優先順位を見出して一緒にプランすることで長きに渡り「不満や心配なく製品をお使い頂き、快適な環境を体験」していただくことが我々のサービスになると思っております。 またここに時間を惜しまずサポートするのが我々エアコンシェルジュに求められる姿でお客様の利益になると想っております。
施工状況
工事当日は既設の室内機(天井埋込ダクト形)の機器の入れ替え、チャンバーの交換と取り合い調整、室外機の設置、冷媒配管の交換、リモコンの交換作業が主なメニューです。
こちらが今回導入する高静圧型の室内機です。
新しいチャンバーとの取付調整も整い入れ替えが完了です。
既存の架台を多少加工しての取付となりましたが架台自体はそのままの位置で再利用しましたので無駄なコストは掛かりません。
配管の接続作業です。
見えないところの配管もしっかりと施工します。
室内機の吸気側ですが、逆止弁チャンバーがあります。
これはエアコンからの送風が無い状態でも24時間換気は循環していますので室内に送られる空気が抵抗により室内配管に行かず反転してエアコン側に混合器を経由して戻り吸入口から噴き出ることを防ぐ仕組みです。
痛んでいた屋外配管カバーも新品で施工し直します。
新しい室外機は南側に接した建物の角に位置していますので重量のあるコンクリートベースを選定し突風などで動いてしまったら最悪転倒することの無いよう対策しました。
ガス漏れが無いことを各接続箇所にて点検し作業終了です。
あらかじめお客様と一緒にコントロールでき最終的な満足度を得ることができます。
もしこれまでお使いの経験の中で気になる点や心配、疑問点がありましたら是非Aircon Mediaにお声がけください。