エアコンの室外機を屋根置きする時の工事内容と料金について職人が解説

どうもこんにちは。
エアコン職人さかなです。

今日はエアコンの『室外機屋根置き工事』について、料金とその内容を解説していきますが、まず最初に注意点としてお伝えしておきたいのが、これからお伝えすることは、あくまで一般的な業界標準の話であり、その基準として、大手家電量販店の金額を参考にしているという点です。

なので、当然、依頼する工事屋さんによって、多少、内容や金額が変わることがあると思います。

こちらの記事でお伝えしていることが、実際には「必ずしもそうとは限らない」ということをご了承くださいませ。

よろしくお願いします。

室外機屋根置き工事とは

最近の住宅では減ってきましたが、まだまだ室外機を屋根に置く家は多いです。

都心ではほとんど見ないかもしれませんが、田舎の瓦屋根の住宅では、〝2階にエアコンを取り付ける=屋根置きになる〟と言っても過言ではないのかもしれません。

2階以上の階にエアコンを取り付け、室外機を屋根の上に置くことを室外機屋根置き工事といいます。

室外機の屋根置き工事には3種類の方法があり、

  1. 平行屋根置き
  2. 直角屋根置き
  3. それ以外

この3つになりますので順番に解説していきます。

平行屋根置き

平行屋根置きとは、屋根の傾斜に対して、室外機を平行に置く屋根置き工事のことです。

『平行屋根置き工事』

工法としては、平行屋根置き専用金具を壁と固定した後、その金具の上に室外機を設置します。

よく、「台風で室外機が落ちないか?」と心配される方がいますが、普通の台風くらいなら大丈夫です。

風速が30mとか40mクラスになるとちょっと危ないかもですが、そのような場合にはとっくに瓦も吹き飛んでますし、もしかしたら屋根も吹き飛んでいるので、室外機どころの騒ぎではないので大丈夫です。

室外機平行屋根置き工事の金額は、大手量販店では15000円ほどで、この金額には屋根の上での高所作業費も含まれています。

ただし、部屋の窓から安全に室外機を出し入れできることが条件なので、窓がなくて屋根にアクセスできない場合には、ハシゴを立てて、そのハシゴを室外機を担いで登っていく必要がありますので、そのような場合には特別高所作業費6600円が追加になります。

直角屋根置き

直角屋根置きとは、屋根の傾斜に対して、室外機を直角に置く屋根置き工事のことです。

『直角屋根置き工事』

こちらも工法は平行屋根置きと同じで、単純に平行屋根置きと向きが変わるだけです。

料金も平行屋根と同じで、15000円ほどです。

それ以外の屋根置き方法

まずはご自宅の屋根に平行で置くのか直角で置くのか確認していただき、9割はそのどちらかの金具が使えますから、問題はないと思います。

それ以外で屋根に置くパターンというのは、まず、屋根の傾斜がものすごく急な場合です。

屋根置きの架台もある程度まで角度調節ができるのですが、あまりにも急な傾斜の屋根ですと、金具の適用角度を超えてしまい室外機を水平に正しく設置できません。

その角度は、平行屋根で0°〜30°、直角屋根で14°〜30°と決められています。

つまり、30°を超えるような角度の屋根にはこの専用金具が使えませんから、現場合わせで、造作物で作る必要があります。

金額は実際に工事をする工事屋さん次第ですが、おそらく15000円〜25000円程度だと思います。(要見積もり)

そのほかにも、土台が安定していないなど、屋根置き架台が安全に使用できない場合には、「造作物」になるかと思います。

9割は架台が使えるけれども、残りの1割は造作になり、その分高額になると思っていてください。

屋根置き架台再利用について

よくあるパターンとして、もうすでに屋根置きでエアコンを使っていて、更新するときに古い架台は使えるのかどうか?という問題があります。

職人の目線から言わせていただくと、基本的に使えないと思っていてください。

仮に、エアコンの寿命が10年だとすると、既設の架台も10年使用していたことになります。

とすると、そこからさらに10年使用しなくてはならないことになり、さすがに20年は金具の耐久性が持ちません。

ボルトもナットもステンレスではないので錆びますし、壁面と固定しているワイヤーも20年では劣化で切れるかもしれません。

そして、僕ら職人が架台を再利用したくない最大の理由は、お金が儲からないとかそういうことではなく、安全性と責任の問題です。

もし、架台が劣化して室外機が落下したとします。

その時に、お客さんは必ず「工事屋の責任だ」と言うと思います。

じゃあ、その工事屋って誰のことですか?一番最初に架台を設置した業者ですか?新しくエアコンを更新した業者ですか?おそらく、最後に触った人間にクレームを言いますよね。

でも、僕らは架台の再利用の危険性を十分に説明しているわけです。「古い架台を使うと、室外機が落ちた時に責任は取れませんよ」とハッキリ言っています。

でも、何年か経ってお客さんはそんなこと覚えていないんですよね。

だから、僕らは新品の架台を使いたいんです。室外機が落下するようなことがあってはならないし、もし、何かあったとしても自分がやった工事なら、全責任を自分で負う覚悟はできています。

でも、人が施工した架台に室外機を乗せただけで、その責任がこちらに来るのは納得いきません。

確率としては少ないのかもしれませんが、それでも20kgとか30kgの重量物を瓦に無理やり乗せているわけですし、金属というのは劣化して錆びていく物ですから、絶対に大丈夫ということもないわけです。

以上の理由から、既存架台の再利用は基本的にはお断りする工事屋さんが多いです。

もし、架台がすごく新しくて、施工もきちんとされていて、安全性が確認できた場合に限り、既存架台を再利用してもいいかもしれません。

屋根置きの注意点

屋根置きでたまにお客さんに聞かれることがあって、「振動音はどうでしょうか?」という質問です。

室外機は運転時に多少振動しますので、その音が響かないか?という質問ですね。

僕の答えですが、「気にするなら他の方法を選択した方がいい」と思います。

なぜなら、そういう質問をするという時点で、かなり音には敏感な人だと思うんですよね。

これはやはり住まれる方の気持ちが一番ですし、気にしない人は気にしないし気なる人は気になるんです。

なので、エアコンを取り付ける前から音を気にしているということは、絶対に取り付けた後も音に敏感なんですよね。

っていうか、もうそこに意識が向いちゃっているので、「音がするかしないか?」という前提で聞いているので、そりゃ、音はしますよって話なんです。

エアコン室外機は必ず振動しますし、音も出ます。

でも、それを取り付けた後から言われても困っちゃうので、気にする方は屋根置きにせず、1階に室外機を置くという選択をしていただければと思います。

以上、エアコン室外機の屋根置き工事の解説でした。

ありがとうございました。

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