【湘南エリアでエアコン工事 必見】長持ちのために塩害対策が欠かせない理由とは?

どうもこんにちは。
Aircon Media空調技術ディレクターの小林です。

湘南といえば青い空、青い海、降り注ぐ太陽。

首都圏からほど近い距離で恵まれた海が楽しめる湘南。

鎌倉には幕府が置かれた歴史があるほか、1601(慶長6)年には東海道の日本橋から数えて4番目(のち6番目)の宿場として「藤沢宿」が整備されるなど宿場町としても栄えました。 明治以降は鉄道開通を機に別荘地としても栄え、江ノ島は江戸時代より信仰の地として名を馳せます。 恵の海が近いうえに温暖な気候であり、昔から重宝された土地です。

そんな由緒正しい湘南ですが、エアコン工事ではひとつ注意が必要な土地なのです。

それが、塩害です。

空気中の雰囲気に含まれる塩分が通常よりも早いスピードで室外機を腐食させます。 この塩害の恐ろしいところは、単に錆びて見た目が悪くなるなどというだけでなく、性能に直結した弊害をもたらすところにあります。

まずは…… 室外機を分解してみましょう。

写真は室外機を正面から見たものです。

左側を見てみると、プロペラと奥に「熱交換器」と呼ばれる部品が配置されています。
右側には上部に基板、下部に防音材に覆われたコンプレッサー(圧縮機)があります。

ご覧の通り、室外機は金属部品の塊で、アルミや銅を多く使用しています。
このうち錆によって性能低下に直結するのは、熱交換器と底板です。

熱交換器の腐食が進行すると「ガス漏れ」

エアコンは室外と室内で熱のやりとりをしているだけであって、構造上換気はできません。 ではどのように熱を運んでいるかというと、冷媒(れいばい)と呼ばれるガスに熱を乗せて室内機と室外機を循環させています。 人間でいう血液そのものです。
その冷媒がどこを通っているかというと、1枚目の写真に映る熱交換器左側の赤色の配管です。 この配管を辿っていくと、熱交換器背面に横向きに何本もの配管が配置されているのがお分かりでしょうか。 プロペラを回転させることで空気と冷媒で熱を授受するので、この部品を熱交換器と呼ぶのです。
熱交換器を拡大して見てみると、極細のアルミ板が約1.5mmピッチで並んでいるのがわかります。 小能力の室外機では1列ですが、パワフルな室外機だと2列、3列と増え熱交換器が厚くなります。
 
では熱交換器が腐食するとどうなるでしょうか。 熱交換器は銅とアルミでできていますが、基本的にはアルミが先に腐食するので、熱交換器の灰色のフィン(極細の板)が粉状に腐食します。 まずこの段階で熱交換効率が低下するので運転効率が下がり、無駄な電力消費が増えていきます
 
腐食が進むとどうなるでしょうか。 フィンがすっかりなくなってしまい、パイプが丸裸になります。 このとき熱交換効率はかなり低下していますが、それだけでなくパイプが塩害を直に受けるので、パイプに小さな穴があきます
運転時の配管内圧力は4MPaほどにまで上昇するため、小さな穴から冷媒は徐々に漏洩し、みるみるうちに配管内が空になります。 これがいわゆる「ガス漏れ」状態。 この時になるとエアコンは異常を察知しエラーを発報します。 時すでに遅し、人間でいう血液がまるまる抜けた状態ですのでエアコンは運転できず、熱交換器の交換もしくは溶接による大規模な修理と冷媒補充が必要になります。(実際には修理せずに取り替える方が多い重故障です。)
 
 

基盤に塩分が付着することで生じる「漏電」

室外機の基盤を拡大してみましょう。
 
基盤自体は送風経路内に露出していませんが、放熱のため基盤自体を囲んでしまうことは基本的にできないため空気中に滞留している塩の被害からは逃れられません。
基盤表面に塩が付着すると漏電が発生します。 基盤だけの損傷で済まず、電気回路の先にある電気部品も損傷してしまうと大規模な修理が必要となるだけでなく原因発見に時間を要し、エアコンが使用できない期間が長引く可能性があります
なお標準仕様でも多くの場合基盤にはコーティングが施されていますが、下記に説明する塩害仕様 / 重塩害仕様とは塗布範囲が異なります。
 

JRA耐塩害仕様/JRA耐重塩害仕様とは

「JRA耐塩害仕様(以下、塩害仕様)」と「JRA耐重塩害仕様(以下、重塩害仕様)」について簡単にご説明します。

 JRAとは日本冷凍空調工業会標準規格のことを指し、塩害のレベルに応じて二つの仕様がラインナップされています。比較的塩害が軽い場合は塩害仕様、重い場合は重塩害仕様を用います。それぞれの目安としては表の通りで、簡単に言えば

  • 海から300m以内は重塩害仕様
  • 海から300m超え1km以内は塩害仕様

という括りになりますが、実際には方角や設置場所なども考慮する必要があります

海から1km以内の設置環境では、多くの場合どちらかの塩害仕様を選定いただくのが妥当です。 2km以内の設置環境であれば、プロに相談の上必要に応じて塩害仕様を選びましょう。
湘南を中心とする神奈川県相模湾沿岸エリアの海から1km以内のイメージ図。 目安としてJR東海道線以南が該当します。
 

仕様変更点

塩害仕様や重塩害仕様は、標準仕様に比べてどのような点で優れているのでしょうか。

 一見普通の室外機に見えますが、実はねじ一本から対策が施されています。ダイキンの重塩害仕様ではキャメル色の塗装になるなど、室外機の内部だけでなく見た目までもが変わります。
 

弊社運営本部では塩害仕様/重塩害仕様が稼働中

藤沢市鵠沼松が岡にある弊社運営本部では、フィールドテストを兼ねて標準仕様、塩害仕様、重塩害仕様の3仕様を稼働させていますが、標準仕様の室外機については熱交換器の腐食が進み粉状になっています。 中には2018年に設置した個体が4年で故障し交換する事態も発生しています。

2023年2月設置 ダイキン製 AXシリーズ(JRA耐重塩害仕様機、ライトキャメル色塗装)
二段置き架台も耐塩害性のある溶融亜鉛メッキ仕様を採用しています。

ダイキン製 業務用エアコン(JRA耐塩害仕様機、ライトキャメル色塗装)

湘南エリアのエアコン工事はAMにお任せください

Aircon Mediaは塩害地域での知見が豊富なだけでなく、運営本部も塩害区域内にあるためお客様に的確なアドバイスができ最適なプランの提案が可能です。

塩害仕様はあくまで室外機の延命処置にすぎませんが、空調は今では生活に欠かせない必需品。 さらに海が近く比較的湿度の高い湘南エリアでは空調が当たり前に稼働することがとても重要です。

湘南エリアのエアコン工事はAircon Mediaにお任せください。

施工事例には塩害仕様機の事例も多数掲載しております。よろしければご覧ください。

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塩害仕様、重塩害仕様は受注生産品です。 お客様からのオーダーを受けて1台ずつ生産するため、2ヶ月ほど納期がかかる場合があります。 
(メーカーに在庫がある場合もあり、その際は即納・即工事可能です)

施工まで日程的に余裕をもってご相談くださいますようお願いいたします。