どうもこんにちは。
エアコン職人さかなです。
僕が日頃エアコン工事をしていて、よく聞かれる質問の一つに「エアコン洗浄スプレーってどうなの?」という質問があります。
個人的にはおすすめしておりません。
なぜなら、
- あまり綺麗にならないから
- 洗浄液の臭いがプラスされてさらに臭くなるから
- ドレン排水をつまらせて水漏れするから
- 素人がやると故障するから
- 火災の原因になるから
- つまりお金と時間の無駄だから
です。具体的に解説していきます。
エアコン洗浄スプレーはあまり綺麗にならない
僕は基本的にはエアコン取付職人なのですが、エアコンの分解クリーニングも頼まれればやりますので、エアコン内部がどれくらい汚れているかは普段からよく見ています。「エアコン分解クリーニング」と「エアコン洗浄スプレー」、そのどちらが綺麗になるかといえば、もちろん分解クリーニングの方が間違いなく綺麗になります。
では、どれくらいの差があるのか?
仮に、ホコリやカビが一切存在しない状態を100%だとすると、エアコン完全分解クリーニングでは99%の洗浄度と言っていいでしょう。
各部品を全てバラバラに分解して、一つ一つの部品を丁寧に掃除していきますから、ほとんど新品に近いくらい汚れを落とすことができます。
一方、エアコン洗浄スプレーでは、アルミフィンの一部しか洗浄することができないので、洗浄度は良くて10%くらいでしょうか?
歯磨きで言えば前歯2本くらいしか磨けておらず、肝心の奥歯とかは一切磨けていない状態ですし、そして「すすぎ」もしませんから、本当に何の意味があるのかすごく疑問です。
断言しますが、エアコンはほとんどと言っていいくらい洗浄できませんし、良くて10%程度なんだと覚えておいてください。
洗浄液の臭いがプラスされてさらに臭くなる
エアコン洗浄スプレーには匂い付きのものもありますし、無臭タイプもありますが、無臭タイプでも洗剤の匂いはします。
そして、カビとか埃とか汚れの匂いと、洗剤の匂いが合体してすごく嫌な匂いに変わります。
僕の知り合いのエアコンクリーニング業をやられている方は、そういうお客さんがものすごく多いと言っていました。
つまり、とりあえず自分で洗浄スプレーでがんばってみたいけど、逆効果っていうくらい臭くなって、我慢できなくなってプロに依頼してきたっていうパターンですね。それで、プロが洗浄して出てくる汚水を見てびっくりするんです。
嘘だと思うならTwitterとかで「エアコンスプレー」と検索してみてください。
そういう個人消費者の生の意見がたくさん出てきますから、説得力あると思います。
『エアコンスプレー』で検索
ドレン排水をつまらせて水漏れする
これはかなり汚れたエアコンをスプレーするとあるみたいです。
理屈は単純で、スプレーすることにより、中途半端にエアコン内部のゴミが押し込まれて、そこで排水の通り道を塞いでしまって、溢れた水が室内機の隙間から溢れてくるという理屈です。
スプレーではどうしてもエアコン内部のドレンパンとか、そういうところまでは洗浄することができません。
なので、歯磨きで言えば前歯だけ磨いて、その前歯についていた汚れが隙間に挟まって、そこで虫歯になるとかそういう感じなんですよね。
やるならちゃんと全部やらないとダメなんですよ。
素人がやると故障する
最近のエアコンはお掃除機能とか、空気清浄とか、センサーとか、何だかよくわからない無駄な機能を搭載していることが多いです。
無駄かどうかはさておき、そういう電子部品が増えていることは事実で、あまりエアコンに慣れていない人が洗浄すると、電子部品に洗浄液をかけてしまったりするんですよね。
エアコンも精密機械ですから、やはり電子部品は水に弱いですし、今のエアコンは一つの部品が壊れたらエラーが出るようになってます。
なので、お掃除ロボのコネクタ一つに水をかけただけで、エラーが出てエアコンが動かなくなったりします。
洗浄液を絶対にかけてはいけない場所があります。最低限これくらいのことがわからない人はやめた方がいいですし、もし誤って壊してしまうとプロに頼む洗浄代以上の出費になることもあります。
火災の原因になるから
故障する話と重なる部分ではあるのですが、電装部品に水がかかると、トラッキング現象が起こります。
電気関係の火災の原因の一つで、電気が流れる場所が湿っていたりショートしていたりすると、そこから過電流によって発火する現象です。
エアコンメーカーはエアコン洗浄スプレーを推奨していません。
わかっているだけでもエアコン洗浄スプレーを使ったことによる室内機からの火災が約5年で20件発生しているからです。死亡例も出ています。
niteさんの検証実験動画がありますから、紹介しておきます。決して他人事ではありません。
『製品評価技術基盤機構(NITE)』
内部洗浄したエアコンから発火し火災に至った事故の再現映像(独)製品評価技術基盤機構 https://www.nite.go.jp/ NITE公式 https://twitter.com/NITE_JP【動画の解説】洗浄液がエアコンの内部にある電気部品に付着して発火した事故です。洗浄を行う際は内部に液が浸入しないよ... 【nite-ps】エアコン「4.内部に洗浄液がかかりトラッキング現象で発火」 - YouTube |
結論、お金と時間の無駄
エアコン洗浄スプレーを使ってもあまり綺麗にならないし、さらに臭くなるかもしれませんし、水漏れするかもしれませんし、素人がやると故障するかもしれませんし、火災になるかもしれません。
例えば、エアコン洗浄スプレーが1本1000円だとしても、1000円がなくなるだけならいいのですが、それ以上にエアコンが壊れるとか火災になるとか、そういう大きなデメリットが発生する可能性があるということです。
エアコン洗浄スプレーのマーケティングがうまいので、ホームセンターなどで大々的に売られてますし、専門業者に15000円で頼むよりも自分で1000円程度で済むなら試してみたい気持ちもわかります。
でも、個人的には専門業者にお願いした方がいいと思います。
以上、スプレー解説でした。ありがとうございます。
Aircon Mediaでは「Air-concierge」(エアコンシェルジュ)をコンセプトに、『10年間の快適な空間』をお約束しています。高品質な工事はもちろん、10年間の製品保証ときめ細やかなアフターサービスを心がけてますので、エアコン工事で失敗したくない方はぜひ、Aircon Mediaにお任せください。